香川県北東部、小豆(しょうず)郡の町。小豆(しょうど)島の北西部と豊島(てしま)などから構成される。1898年(明治31)町制施行。1955年(昭和30)淵崎(ふちざき)、大鐸(おおぬで)、北浦、四海(しかい)、豊島の5村と合併。1957年大部(おおべ)村を編入。町域は山がちで平野は狭く、水稲のほかミカンなどを栽培する段々畑がみられる。中心の土庄は小豆島観光の玄関口であり、島の行政、経済の中心である。国道436号が通じ、土庄港から高松港、新岡山港に高速艇などの便がある。ノリの養殖やそうめん製造、花崗(かこう)岩の採石は観光と並ぶ町の重要な産業である。餌(え)づけされた野猿のいる銚子渓(ちょうしけい)のほか、肥土山(ひとやま)の農村歌舞伎(かぶき)舞台(国指定重要有形民俗文化財)、平和の群像など見どころは多く、観光関連産業を中心とした第三次産業は全就業者の約6割を占め、この町の産業の大きな特色となっている。宝生(ほうじょう)院のシンパクは樹齢1600年と推定され、特別天然記念物に指定されている。面積74.38平方キロメートル、人口1万2846(2020)。
[新見 治]
『『土庄町誌』(1971・土庄町)』
香川県小豆(しようず)郡,小豆(しようど)島北部と西部,および西方海上の豊(て)島,小豊(おで)島からなる町。人口1万5123(2010)。急傾斜地が多く,平地は伝法川流域や海岸部に点在する。中心集落の土庄は小豆島観光の中心地でもあり,観光客の多くが土庄港を起点とするため,港周辺には旅館,ホテル,みやげ物店などが軒を連ねている。農業は米,ジャガイモ,ミカン,野菜などの栽培が盛んである。漁業は沿岸漁業からノリなどの養殖漁業へ移行している。古くからの手延べそうめんの製造,花コウ岩や角レキ凝灰岩の採掘・加工のほか,紡績,ゴマ油,婦人服などの工場がある。宝生院のシンパク(槙柏。応神天皇手植えの伝説のあるイブキの巨木。特天),肥土山の農村歌舞伎舞台(重要有形民俗文化財)のほか,北部の小海(おみ)には大坂城石垣の石切丁場跡が残る。銚子渓,双子浦や,映画《二十四の瞳》の像として知られる〈平和の群像〉などもある。
執筆者:赤池 享一
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