生体の体表あるいは深部に加えられた圧刺激によっておこる感覚をいう。触覚や振動感覚と同一次元の動き受容感覚であって、機械的刺激によって生体組織に変形やゆがみなど、いわゆる組織に動きが生ずるときにおこる感覚のうち、順応が遅いものである。
圧覚を感ずる場所は体表上に圧点として点状に分布しており、圧覚の受容器は、近年ではいろいろな形状をした神経終末と考えられている。圧刺激情報は末梢(まっしょう)ではAβ繊維によって伝えられる。しかし、そのほかにAδ繊維やC繊維によっても伝えられるという学者もいる。脊髄(せきずい)では前外側索と後索を上行し(ただし、前外側索のうち腹側脊髄視床路を上行するという説をとる学者もいる)、視床の特殊感覚中継核を経て大脳皮質体性感覚野(中心後回)に達している。前外側索を上行する圧覚情報は大ざっぱな情報であるのに対し、後索を上行する圧覚情報は圧刺激に関する詳細な情報、すなわち、圧刺激の加えられた部位と、その広がり、あるいは圧刺激の強さなどを伝えるとされている。
[市岡正道]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…19世紀に触,温,冷,痛覚に対応する感覚点sense spotが発見され,以来触覚が温,冷,痛の諸感覚からより明確に分離されるようになった。
[触覚と刺激]
変形が1回かぎりであればそれは軽い一過性の接触の感じをおこすが,これがある頻度(10回/秒以上)で繰り返されると振動感覚vibrationを生じ,変形が一定時間以上持続するときには圧覚pressureを生じる。接触の感じは,局所的な圧迫によって皮膚がへこんだときおこるほか,たとえば皮膚に接着した物体を介して皮膚が軽くひっぱり上げられても生じる。…
※「圧覚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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