1992年(平成4)1月に導入された国税の一つ。経常的資産税の性格を有し、各種資産のなかでも土地等のみを対象として、毎年度その価額に比例税率で課税する税である。地価の異常な上昇の抑制をはじめとした特定政策目的達成の手段の性格も強い。
納税義務者は、国内にある土地および借地権等を有する個人および法人である。課税時期である1月1日(午前零時)において有する土地等の価額の合計額から基礎控除額を控除した残額を課税標準として、1000分の1.5の税率を乗じて計算した額が地価税額となる(1996年度税制改正によって従来の0.3%から半減)。土地等のすべてが課税対象となるわけではなく、公共法人や公益法人等の有する土地等、自然・国土保全等、医療・社会福祉等などの一定の公益的な用途に供されている土地等、一定の条件の住宅の敷地、1平方メートル当りの評価額(更地価額)が3万円以下の土地は非課税とされる。住宅の敷地についての非課税対象は、1000平方メートル以下の部分に限り、自己が所有し居住している住宅や他人に貸し付けられている住宅の敷地である。
課税対象とされる土地等についても基礎控除額として次の(1)と(2)のいずれか多いほうの金額を選択できる(97年から)。(1)定額控除 資本金等が10億円超の法人(保険会社を含む)に対しては5億円、資本金等が1億円超10億円以下の法人に対しては8億円、上記以外の法人および個人に対しては15億円か、(2)面積比例控除 1平方メートル当りの評価額(更地価額)が3万円を超える土地(非課税分を除く)の面積×3万円。
なお1998年度税制改正で、景気対策の一環として当分の間地価税の適用を停止することになった。
[林 正寿]
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