地域代表制(読み)チイキダイヒョウセイ

デジタル大辞泉 「地域代表制」の意味・読み・例文・類語

ちいき‐だいひょうせい〔チヰキダイヘウセイ〕【地域代表制】

地域単位とする選挙区から代表者を選出して議会に送る制度。→職能代表制

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精選版 日本国語大辞典 「地域代表制」の意味・読み・例文・類語

ちいき‐だいひょうせいチヰキダイヘウセイ【地域代表制】

  1. 〘 名詞 〙 地域別の選挙区の代表者を議会に送る制度。一般に議会政治の国では、地域代表制が原則であり、日本議員選挙もこの制度を採用している。→職能代表制

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「地域代表制」の意味・わかりやすい解説

地域代表制
ちいきだいひょうせい

地域を基礎として選挙人団を組織し、その地域を単位とする選挙区から代表者(議員)を選出する方法。職業的・経済的な職能集団を基礎単位として選挙人団を組織する職能代表制に対比される。地域代表制の原理は、身分や職業などの違いを超えて、すべての人間の意思の価値に差異はなく、かつ、その意思を同質的な議員によって代表できるとする観念前提としている。したがって、地域代表制において、地域的選挙区は同質的な国民を区分する便宜的な手段、いいかえれば、単に選挙手続上の技術的な単位にすぎない。一般に、近代議会制度においては、居住の地域ごとに選出された代議員の構成体である議会が最高の国民代表機関であり、その構成員たる議員は、中世の身分制議会におけるごとく選出母体の意思に拘束された代理人ではなく、また特定の選挙区の利益代表でもなく、全国民の代表者であるとされる(国民代表主義)。しかし、現実政治において、議員は選挙区や選出母体の利益代表として行動することが多く、それゆえ、職能代表制の理論は、国民代表主義を前提とする地域代表制は擬制であると批判する。今日、わが国をはじめ議会政治の諸国では地域代表制を原則としている。

[三橋良士明]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地域代表制」の意味・わかりやすい解説

地域代表制
ちいきだいひょうせい
territorial representation

地域別に選挙区を定め,そこから代表を選出する制度。社会的,経済的機能を基礎として選挙母体を組織する職能代表制に対比される。中世の等族会議にみられた身分代表制に対して,近代の国民代表の理論から生れたもので,(1) 近代国家における個人の意思は他の人間によって代表され,地域は単に選挙区の設定のための技術的方便にすぎない。 (2) 近代国家における各地域の利益はおのずから全国的利益に統合されるという2つの前提に立っている。したがって,地域代表制においては,議員は特定の選挙区の利益代表ではなく,全国民の代表とみなされる。

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百科事典マイペディア 「地域代表制」の意味・わかりやすい解説

地域代表制【ちいきだいひょうせい】

全国を地域的に区分して選挙区を編制し,各選挙区ごとに独立に議員を選出する選挙方法。職能代表制に対比。大選挙区制,中選挙区制,小選挙区制などによる選挙方法がこれに属する。

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