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地方公営企業 ちほうこうえいきぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地方公営企業
ちほうこうえいきぎょう

広義では,地方公共団体みずから経営する公益的な事業をいう。狭義では,地方公営企業法が定める,水道工業用水道軌道,自動車運送,鉄道電気,ガスの7事業をいう (2条1項) 。地方公営企業法によれば,事業ごとに地方公共団体の長が任命する管理者がおかれ,また,企業の経理は事業ごとに特別会計を設けて行われ,企業の経費は一般会計または他の特別会計の負担するものを除いて,その企業の経営に伴う収入をもってあてなければならない。その職員の労働関係については,一般の地方公務員とは異なる取扱いがされており,地方公営企業労働関係法が適用される。

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知恵蔵の解説

地方公営企業

自治体が直接経営する企業。事業の種類は地域住民の福祉の増進に資する限り制限はないが、実際は民間投資の可能性の低い分野や地域独占的経営を要する分野で行われる。地方公営企業法および地方公営企業労働関係法によって規制される。現在、地方公営企業法が適用されるのは、水道、工業用水、軌道、自動車運送、地方鉄道、電気、ガスの7事業。2004年度末現在、ほとんどの地方公共団体(2580)が総計1万979の企業を経営、職員数は全地方公共団体の職員数の14%、40万414人に達する。事業の内訳は、全体の40%が下水道事業、27%が水道事業で、介護サービス事業が7%、病院事業が7%など。事業数は1970年代以降、下水道事業の拡大によって増大し続けたが、2000年以降横ばい、04年度は市町村合併によって減少した。全事業の86%が黒字(総額7271億円)、14%が赤字(総額4680億円)で収支は改善傾向にある。また、民営化民間委託、PFIや地方独立行政法人制度の導入など、経営改善の努力も進みつつある。

(北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

地方公営企業

上下水道や病院など地方自治体が経営する事業。料金収入で経費を賄う独立採算が原則。自治体の特別会計となる。地方公営企業法の財務についての規定だけでなく全体を適用した場合、経営責任を負う事業管理者を置き、職員の任命、給与の扱い、予算案の作成など経営に必要な人・金・物の権限を与えられる。民間的な経営を導入する手烹非適用の場合は、自治体の一部として運営される。

(2009-12-05 朝日新聞 朝刊 岐阜全県 1地方)

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デジタル大辞泉の解説

ちほう‐こうえいきぎょう〔チハウコウエイキゲフ〕【地方公営企業】

地方公共団体の経営する公益的な事業。特に地方公営企業法の適用される水道・工業用水道・軌道・自動車運送・鉄道・電気・ガス事業をいう。

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百科事典マイペディアの解説

地方公営企業【ちほうこうえいきぎょう】

地方公共団体の経営する公益的な企業。常時雇用職員が一定数以上のものは地方公営企業法(1952年)を適用,各事業ごとに事業会計を設け,独立採算制が原則。上下水道・交通・電気・ガス・病院・港湾整備・土地造成等に及ぶ。
→関連項目地方公営企業労働関係法地方財政

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世界大百科事典 第2版の解説

ちほうこうえいきぎょう【地方公営企業】

地方公共団体の経営する企業をいう。その大部分公益事業,すなわち,住民の生活基盤を成す必需性の高いサービスを提供し,かつ大規模な固定資本設備を要するため地域的独占を生みやすい事業である。現在主たる地位を占める事業は,水道,交通,病院,下水道であり,第2次大戦前の電気,ガス事業は,戦後に民営化が進み,その比重は大幅に低下した。原則として事業ごとに特別会計を設けて経理されるが,1952年公布の地方公営企業法によりその自立性はいっそう強化された。

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大辞林 第三版の解説

ちほうこうえいきぎょう【地方公営企業】

地方公共団体が経営する公益性の高い事業。水道・軌道・自動車運送・地方鉄道・電気・ガスなどの事業。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地方公営企業
ちほうこうえいきぎょう

地方公共団体(都道府県市町村)が経営する公益的な事業をさし、〔1〕水道、〔2〕工業用水道(簡易水道事業を除く)、〔3〕軌道(例、市電)、〔4〕自動車運送(例、市バス)、〔5〕地方鉄道(例、地下鉄)、〔6〕電気、〔7〕ガス、をはじめ、病院、港湾整備、宅地造成などの各事業を含む。その範囲は広く、しだいに拡大する傾向にある。上記のうち、〔1〕~〔7〕については、地方公営企業法が適用される。第二次世界大戦後、住民福祉の充実の方向に沿って、地方公営事業は拡大していったが、高度成長期には放漫経営もあって、累積赤字が激増した。これを救済するため、自治大臣の諮問機関であった地方公営企業制度調査会の答申に基づき、同法が大幅に改正された(1966)。同法は、地方公営企業が経済性を発揮しながら、本来の目的である公共の福祉を増進することを原則としている。そのうえにたって、地方公営企業の組織、財務、人事管理、労使関係についてあり方を定めている。とくに累積赤字の処理については、前記の大改正時に財政再建の章を設け、累積赤字棚上げのための財政再建債の発行、同債に対する国の利子補給などを定めている。[森本三男]

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世界大百科事典内の地方公営企業の言及

【争議権】より

…この禁止規定に違反する争議行為は,一律に民・刑事免責を失うものでなく,各規定の趣旨に照らして免責の有無が判断される。 公務員,国営企業等および地方公営企業の職員の争議行為は全面的に禁止される(国家公務員法98条,地方公務員法37条,国営企業労働関係法17条および地方公営企業労働関係法11条)。そして違反に対しては刑事罰・免職を含む重い制裁を科している。…

※「地方公営企業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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