デジタル大辞泉
「垂髪」の意味・読み・例文・類語
すべら‐かし【垂=髪】
女性の髪形の一。前髪を膨らませ、後頭部でそろえて束ね、背中に長く垂らしたもの。江戸初期まで成人の女子の髪形であったが、のちには高貴な婦人の正式な髪形となった。さげがみ。すべしがみ。すべしもとどり。おすべらかし。
すい‐はつ【垂髪】
結いあげずに垂らしたままの髪。すべらかし。たれがみ。また、転じて、幼児。童子。
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すい‐はつ【垂髪】
- 〘 名詞 〙
- ① 髪をうしろにたらすこと。また、その髪やその髪型。たれがみ。すべらかし。
- [初出の実例]「来月可二垂髪一云々」(出典:玉葉和歌集‐文治元年(1185)一〇月七日)
- 「上洛し受戒をし給ふべきなれば、すいはつにて上り給はば」(出典:曾我物語(南北朝頃)四)
- [その他の文献]〔後漢書‐呂強伝〕
- ② たれがみの子ども。転じて、幼児をいう。〔十巻本和名抄(934頃)〕
- [初出の実例]「垂髪吹二横笛一、梶原平次付レ之」(出典:吾妻鏡‐元暦元年(1184)一一月六日)
- [その他の文献]〔後漢書‐鄧禹伝〕
- ③ ⇒すいほつ(垂髪)
たれ‐がみ【垂髪】
- 〘 名詞 〙 幼児のまだ結いあげないでたれ下げた髪。また、その髪型。たれ下げた髪。おかっぱ。すいはつ。
- [初出の実例]「垂髪にて、栗毛なる草馬を乗物にして」(出典:今昔物語集(1120頃か)三一)
すべし‐がみ【垂髪】
- 〘 名詞 〙 女性の髪型の一つ。下げ髪の異称。江戸初期まで、成人女性一般の髪型であったが、のち、高貴の女の正式の髪型となった。すべしもとどり。すべらかし。
すい‐ほつ【垂髪】
- 〘 名詞 〙 仏語。仏像で菩薩像などの肩にたれた髪。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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垂髪
すいはつ
女性の髪形の一種。下げ髪ともいう。平安時代以降、高貴な婦人の間では、髪の長さが自分の身丈より30センチメートルも長いのが普通で、『大鏡』には、牛車(ぎっしゃ)に乗って毛先が母屋(おもや)の柱に引っかかったほどの長さの女御(にょうご)がいたことが記されている。庶民の髪も、当時は垂髪であったが、その長さが腰くらいであったのは、仕事をするのに不便であったことに起因する。この垂髪は明治以降、宮中女官の間では「おすべらかし」といって、儀式の際の髪形として用いられた。その形は、鬢(びん)を張り出して誇張されたところに特色がある。また民間では、明治に入って「お下げ」と称して、年齢5、6歳から中学卒業ごろまでの子供の髪形であった。しかし、「おかっぱ」という切り髪が大正末期にはやりだしてから、しだいに衰退していった。
[遠藤 武]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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垂髪
すいはつ
髪型の一種。結い上げずに垂らした髪型で,下げ髪,垂れ髪ともいう。宮中女官のおすべらかし,子供のお下げ,三つ編などの総称。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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普及版 字通
「垂髪」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の垂髪の言及
【髪形】より
…法隆寺宝物として伝わる仏像や伎楽面,正倉院宝物の《鳥毛立女屛風》,薬師寺に伝わる仏画《吉祥天女像》などによると,女は頭上に高い髷を結いあげるか,左右に二つの髷をのせている。また,大きくふくらませた一種の垂髪形式など,身分や年齢差が髪形に表れるようになった。これらを高髻(こうけい)または[宝髻](ほうけい),頭上二髻(ずじようにけい),垂髪(すいはつ)などの名称で分類している。…
※「垂髪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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