埋木(読み)ウモレギ

デジタル大辞泉の解説

うもれぎ【埋木】[書名]

江戸前期の俳諧論書。1冊。北村季吟著。明暦2年(1656)成立。延宝元年(1673)刊。15項目にわたる俳諧の式目書。俳諧埋木。

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百科事典マイペディアの解説

埋木【うもれぎ】

ブナ,セコイアその他の樹木が火山の噴火,水の堆積作用などで埋没し圧縮変化したもの。日本では数千万年前以後の地層から産出する。圧縮変化により表面は石炭化し,内部は褐色で木理(もくり)を示す。家庭燃料とするほか,緻密(ちみつ)で硬いものは細工用に利用。仙台の埋木細工は有名。

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世界大百科事典 第2版の解説

うもれぎ【埋木】

地層中にあまり深くなく埋もれ圧縮変化した太古(地質時代)の木材。株が根を張ったままの埋没化石樹林や,枝葉が土砂とともに集積した層状で産出する。日本では数千万年前(新第三紀後半)以後の地層に出る。種々の組織のうち,緻密(ちみつ)な材部は石炭ほどもろくなく埋木細工に使われる。仙台のそれは有名。燃料として掘られたものもある。埋木層に伴う有機質土は肥料の材料にもなる。学問的には,地質時代の植生や気候の研究,特殊容器に密封し加温加圧して化学変化させる石炭形成の研究などの対象になる。

うもれぎ【埋木】

俳諧論書。北村季吟著。1655年(明暦1)成立,73年(延宝1)刊。〈俳諧之事〉〈六義〉〈発句之切字〉等15項目にわたり,俳諧の作法・規範を説いた論書。師の貞室から独立した著者が,貞徳没後の俳壇に地歩を築くため,門人に伝授すべき経典として著した書であるが,談林俳諧の隆盛にともない,貞門正統の規範を世に示すべく公刊した。74年芭蕉もその伝授を受けた。【乾 裕幸】

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大辞林 第三版の解説

うもれぎ【埋木】

俳諧式目書。北村季吟著。1655年成立。73年刊。一五項からなる俳諧の作法書。俳諧埋木。

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精選版 日本国語大辞典の解説

うめ‐き【埋木】

〘名〙
① 木材、柱などの割れ目、すき間、穴などをふさぐために他の木片をはめ込むこと。また、そのはめ込んだ木片。〔羅葡日辞書(1595)〕

うもれ‐ぎ【埋木】

(平安以後「むもれぎ」と表記されることが多い)
[1] 〘名〙
① 樹木が長い年月、水中、または土中にあって炭化した木。黒茶色で材質が堅く、細工物に用いられる。
※万葉(8C後)七・一三八五「ま鉇(かな)もち弓削(ゆげ)の河原の埋木(うもれぎ)の顕(あら)はるましじき事にあらなくに」
※古今(905‐914)恋三・六五〇「名とり川せぜのむもれぎあらはればいかにせんとかあひみそめけん〈よみ人しらず〉」
② 世間から捨てられて顧みるものもなくなった境遇の者。たよる所のない身。
※貫之集(945頃)一〇「おくやまのうもれぎに身をなすことはいろにもいでぬこひのためなり」
③ 植物「いちじく(無花果)①」の異名。〔和訓栞(1777‐1862)〕
[2] 俳諧論書。一冊。北村季吟著。明暦二年(一六五六)脱稿。延宝元年(一六七三)刊。同年改稿。俳諧の名義、発句切れ字、テニヲハなど一五項目にわたり、中世以来の諸家の説を引いて私見を加え、作例を示したもの。
[語誌]歌語として多く用いられるが、(一)①の挙例「古今‐恋三」のように宮城県名取川の産物として詠まれることが多い。名取川は古くから埋もれ木の産地として有名。→うもれぎの

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世界大百科事典内の埋木の言及

【埋木】より

…日本では数千万年前(新第三紀後半)以後の地層に出る。種々の組織のうち,緻密(ちみつ)な材部は石炭ほどもろくなく埋木細工に使われる。仙台のそれは有名。…

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