(読み)つつみ

精選版 日本国語大辞典 「堤」の意味・読み・例文・類語

つつみ【堤】

〘名〙 (包(つつ)むものの意)
① 湖沼・川・池などの岸に沿って、水があふれないように土を高く築いたもの。土手堤防
万葉(8C後)一四・三四九二「を山田の池の都追美(ツツミ)にさす柳なりもならずも汝(な)と二人はも」
源氏(1001‐14頃)夕顔つつみの程にて、御馬よりすべりおりて」
② 水をためた池。ため池。貯水池。〔十巻本和名抄(934頃)〕
③ 相撲の土俵
※栄花(1028‐92頃)根合「相撲(すまひ)なども、清涼殿にて中宮御覧ず。儀式有様さる方に見どころあり。裸なる姿どもの並み立ちたるぞ、うとましかりける。御前につつみかきて、月日山などありけり」

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デジタル大辞泉 「堤」の意味・読み・例文・類語

てい【堤】[漢字項目]

常用漢字] [音]テイ(漢) [訓]つつみ
テイ〉土手。つつみ。「堤防堰堤えんてい石堤築堤長堤突堤防波堤
〈つつみ(づつみ)〉「川堤

つつみ【堤】

《包むものの意》
水があふれないように、湖沼・川・池などの岸に沿って土を高く盛り上げたもの。土手。堤防。「洪水が切れる」
水をためた池。ため池。貯水池。
相撲の土俵。
「御前に―かきて、月日山などありける」〈栄花・根合〉
[類語](1堤防土手突堤・堤塘・防波堤

つつみ【堤】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「堤」姓の人物
堤清二つつみせいじ
堤康次郎つつみやすじろう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【堤防】より

…洪水時に河川が平地にはんらんして人家や耕地などに被害を与えることのないように,または舟運や利水のために水路を固定させる目的で,川を一定の河道の中で流れるようにする構造物。堤(つつみ)とも呼ばれ,土でつくった堤防を土堤または土手という。堤防には人工的なもののほか,自然に形成されるものもあり,自然状態にある河川のはんらんによって,上流から運ばれてきた土砂が河岸沿いに堆積し,背後地より若干高くなったところを自然堤防という。…

※「堤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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