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塩化アンモニウム えんかアンモニウムammonium chloride

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

塩化アンモニウム
えんかアンモニウム
ammonium chloride

化学式 NH4Cl 。無色の結晶または白色粒状の固体。冷たい辛みがある。いくぶん潮解性。比重 1.54 。 337.8℃で昇華し,NH3 と HCl に解離する。水に易溶。水溶液はほぼ中性であるが,煮沸するとアンモニアが抜けて,塩化水素が残るため酸性となる。メチルアルコール,エチルアルコールに可溶,アセトン,エーテル,酢酸エチルに難溶。亜鉛鉄板製造の融剤,乾電池,マンガン乾電池の製造,窒素肥料 (→塩安 ) などのほか,去痰剤にも用いられる。

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百科事典マイペディアの解説

塩化アンモニウム【えんかアンモニウム】

化学式はNH4Cl。比重1.53(17℃)。塩安または鹵砂(ろしゃ)とも。無色の結晶。塩化ナトリウムに似た性質をもつが熱すると337.8℃で昇華し,NH3とHClとに解離する。
→関連項目窒素肥料

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世界大百科事典 第2版の解説

えんかアンモニウム【塩化アンモニウム ammonium chloride】

肥料としての正式名称は塩化アンモニアで,塩安略称。化学式NH4Cl。天然には,火山噴気孔付近に昇華鉱物鹵砂(ろしや)(〈どうしゃ〉とも読む)として産する。無色で,結晶は立方晶系。高温安定のα型,低温安定のβ型とγ型の3種の変態があり,転移点は184℃と-30.3℃である。α型は塩化ナトリウムNaCl型構造,β型とγ型は塩化セシウムCsCl型構造。337.8℃で昇華し,アンモニアと塩化水素に解離するが,温度を下げると再結合し塩化アンモニウムの結晶を生ずるので高純度精製に利用される。

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大辞林 第三版の解説

えんかアンモニウム【塩化アンモニウム】

塩酸にアンモニアを加えて濃縮して得る無色の結晶。化学式 NH4Cl 乾電池の減極剤・はんだ付け・亜鉛めっき・染色・寒剤・医薬品のほか、肥料に用いる。塩安。磠砂ろしや

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

塩化アンモニウム
えんかあんもにうむ
ammonium chloride

代表的なアンモニウム塩の一つ。工業的には塩安とよばれる。
 天然には火山噴出物や温泉の中にみいだされるが、工業的には、アンモニアソーダ法(塩安ソーダ法)で炭酸ナトリウム(ソーダ灰)を製造する際の副産物として生産される。
実験室ではアンモニアと塩酸の中和、硫酸アンモニウムと塩化ナトリウムの複分解などで得られる。無色の結晶性固体で、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)の3種の変態があり、転移温度は184.3℃、および零下30.3℃である。高温では安定なα形は塩化ナトリウム型構造であるが、βおよびγ形は塩化セシウム型構造である。熱すると昇華して気体となり、塩化水素とアンモニアとに分解する。苦味を帯びた辛味があり、幾分吸湿性で、水によく溶ける。水溶液はほとんど中性であるが、加熱するとアンモニアが分離するので酸性となる。窒素肥料として大量に使用されるが、工業的にははんだづけ、めっきの際の表面清浄剤(フラックス)、乾電池の合剤、電解液の調製などに用いられる。分析試薬、医薬(去痰(きょたん)薬、利尿薬)としての用途もある。[鳥居泰男]

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世界大百科事典内の塩化アンモニウムの言及

【塩安】より

…肥料用塩化アンモニウム(肥料の正称は塩化アンモニア)の略称。1941~45年,朝鮮窒素の興南工場で約2万tの塩安が生産されたが,日本で本格的生産が開始されたのは50年以降のことである。…

【加水分解】より

…水による分解反応を広く加水分解といい,酢酸ナトリウムのような塩(えん)の加水分解,酢酸エチルのようなエステルの加水分解,デンプンやタンパク質の加水分解など,化学反応には加水分解の例が多い。強酸と強塩基との中和によりできた塩,たとえば食塩は,水に溶かすとナトリウムイオンと塩素イオンに電離するだけであるが,酢酸ナトリウムや炭酸ナトリウムのように弱酸と強塩基からできた塩,塩化アンモニウムや硫酸アルミニウムのような強酸と弱塩基からできた塩,さらに酢酸アンモニウムのように弱酸と弱塩基からできた塩は,それを水に溶かすと加水分解が起こる。酢酸ナトリウムCH3COONaは水溶液中で解離してCH3COOとNaになり,CH3COOの一部は水と反応して酢酸分子CH3COOHとOHを生ずる。…

※「塩化アンモニウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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