塩問屋(読み)しおどいや

世界大百科事典 第2版 「塩問屋」の意味・わかりやすい解説

しおどいや【塩問屋】

産地または消費地でを取り扱う問屋
[産地の塩問屋]
 江戸時代,瀬戸内十州塩田で生産される塩は,生産者の直接販売が許されず,塩問屋を通じて販売されるのが普通であった。塩廻船が塩の買付けに入船したときは,まず塩問屋と交渉する。問屋はこれを塩直師(しおねし)に通知し,直師たちは会合して値段を決定するが,問屋は船主と直師とのに立って斡旋する。その結果,塩の俵数・値段とも双方が同意すると売買が成立し,問屋は浜人(生産者)に値段を通知する。

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世界大百科事典内の塩問屋の言及

【下り塩】より

…また,常州下館の醸造家中村家でも享保期に年間1000俵から2000俵の竹原,波止浜,赤穂の塩を購入している。 江戸でこれら下り塩の流通に携わったのは,廻船下り塩問屋(下り廻船塩問屋)と塩仲買である。廻船下り塩問屋ができたのは1633年(寛永10)ころといわれているが,下り塩問屋,同仲買株が公認されたのは享保期である。…

【塩廻船(塩回船)】より

…江戸時代から明治期にかけて,瀬戸内十州塩田の産塩を大坂・江戸あるいは北国などの消費地に運送した廻船。十州塩田で生産される塩は,産地の塩問屋を介して塩廻船に販売されるのが普通であった。塩廻船の船籍地としては大坂をはじめ阿波,淡路,紀伊,伊勢,尾張および北国諸国が多い。…

※「塩問屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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