夕張岳（読み）ユウバリダケ

デジタル大辞泉

ゆうばり‐だけ〔ゆふばり‐〕【夕張岳】

夕張山地の中央にある山。標高1668メートル。山頂部にユウバリソウ・ユウバリコザクラなどが生育。

出典　小学館

日本歴史地名大系

夕張岳
ゆうばりだけ

• 北海道：空知支庁
• 夕張市
• 夕張岳

夕張山地の中央部にあり、夕張市と上川支庁南富良野町との境界に位置する。標高一六六七・八メートル。同山地北部の芦別岳（一七二六・九メートル）に次ぐ主峰で、富良野芦別道立自然公園のうち。西の前（まえ）岳（一五〇一メートル）、滝ノ沢（たきのさわ）岳（一三五二・八メートル）と合せて夕張山塊をなし、それぞれ本（ほん）岳・雄（お）岳・雌（め）岳ともよばれ、広義に三山全体を夕張岳という（夕張市史）。山岳一帯は日高造山運動に伴い、中生代ジュラ系の海底堆積層が新生代第三紀以降に東からの日高変成帯に押上げられて変成・褶曲した南北方向の神居古潭変成帯の背斜軸にあり、輝緑凝灰岩・硬質砂岩などの堆積岩類、蛇紋岩などの変成岩類からなる。東側は富良野盆地南端の南富良野町金山（かなやま）へ三段の山麓階を伴って急崖で臨み、西側は比較的緩やかな山腹斜面となっている。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

改訂新版　世界大百科事典

夕張岳 (ゆうばりだけ)

北海道中部に位置する夕張山地の主峰。標高1668m。中生代およびそれ以前の変成岩などからなり，山地の尾根の上に約100mほど飛び出した形をとり，鋭い三つの峰をもつ前岳と，その南の本岳とからなっている。山頂にはお花畑があり，ユウバリウツギ，ユウバリリンドウなど，この山特有の高山植物がみられる。富良野芦別道立自然公園に属し，東側からは根室本線金山駅より登ることができる。
執筆者：奥平 忠志

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

日本大百科全書(ニッポニカ)

夕張岳
ゆうばりだけ

北海道中央部、夕張山地中央にある主峰。標高1668メートル。夕張山地の尾根の上に固い神威古潭(かむいこたん)系の岩石が100メートル余も露出し、その特異な山容は古くから神格化されたり、航海の目標とされた。夕張市大夕張およびJR根室(ねむろ)本線金山(かなやま)駅からの登山路があるが、健脚向き。頂上付近にはユウバリソウ、ユウバリコザクラなどのお花畑がある。1996年（平成8）「夕張岳の高山植物群落及び蛇紋岩メランジュ帯」が国の天然記念物に指定された。

［柏村一郎］

[参照項目] | 夕張山地

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

事典 日本の地域遺産

夕張岳

(北海道夕張市;北海道空知郡南富良野町)
「日本山岳遺産」指定の地域遺産（2012(平成24)年度）。
夕張岳(標高1668m)は国の天然記念物に指定され、ユウパリコザクラなど固有植物の宝庫。〔支援団体〕ユウパリコザクラの会。〔活動内容〕高山植物保護活動。夕張岳において環境保全と安全登山の拠点となる山小屋・夕張岳ヒュッテの再建

出典　日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

夕張岳
ゆうばりだけ

北海道中央部，夕張山地の主峰。標高 1668m。夕張山地の東部を占め，古生層から成る。頂部は残丘状の地形をなし，山頂付近には 500種以上の高山植物の群落がある。富良野芦別道立自然公園区域に属する。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典