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多血症(赤血球増多症) たけつしょうせっけっきゅうぞうたしょうPolycythemia

家庭医学館の解説

たけつしょうせっけっきゅうぞうたしょう【多血症(赤血球増多症) Polycythemia】

[どんな病気か]
 血液中の赤血球数やヘモグロビンの量が基準値(「Hb(ヘモグロビン)/Ht(ヘマトクリット)」)よりも多くなる病気を、多血症または赤血球増多症といいます。正確には、体内をめぐっている赤血球の量が体重1kgあたり男性は36mℓ、女性は32mℓ以上になった場合を多血症と呼んでいます。
 多血症には、骨髄(こつずい)の造血細胞(ぞうけつさいぼう)が腫瘍(しゅよう)性に増殖しておこる真性多血症(しんせいたけつしょう)と、造血の量を調整するホルモン(エリスロポエチン)の分泌(ぶんぴつ)が増えておこる二次性多血症(にじせいたけつしょう)があります。血液が濃縮されて見かけ上、多血症のようになることもあります(ストレス多血症(たけつしょう))が、これはとくに治療の必要はありません。
[症状]
 頭痛、皮膚のかゆみ、視力障害、顔面や結膜(けつまく)(白目(しろめ))の充血、脾臓(ひぞう)の腫(は)れなどがおこります。
 血栓(けっせん)ができやすくなって脳梗塞(のうこうそく)などがおこったり、高血圧をともなうことがあります。また、痛風(つうふう)、消化性潰瘍(しょうかせいかいよう)などもおこりやすくなります。
[検査と診断]
 採血して調べると、ヘモグロビン、赤血球、ヘマトクリットが増加しています。循環赤血球量を調べる検査をすると、増加しています。
 血液のねばりけが増し、血中の尿酸値も、しばしば増加します。
 二次性多血症では、エリスロポエチンの増加がみられますが、その原因を調べるには、血漿中(けっしょうちゅう)のエリスロポエチンの活性の測定をします。
[治療]
 真性多血症か二次性多血症かで、治療法はちがいます。
●真性多血症の治療
 循環赤血球量を基準値まで減らすことを目標にしますが、実際はヘマトクリット値を45~50%にするよう治療するのがふつうです。その方法として、瀉血(しゃけつ)、化学療法、放射線療法の3つがあります。
 瀉血は血液を抜くことで、週1~2回、300~400mℓの血液を抜きとります。この効果は一時的で、緊急時に行なわれます。
 化学療法は、抗白血病薬(こうはっけつびょうやく)であるブスルファンやヒドロキシカルバミドを使用し、骨髄で赤血球がつくられるのを抑えますが、抑えすぎないように気をつけます。また、この化学療法の副作用で、出血傾向や骨髄線維症(こつずいせんいしょう)がおこることがあるので、その検査のためにも、定期的な血液検査が必要です。
 放射線療法は、32Pというリンの放射性同位元素を服用し、その放射線で骨髄の造血を抑える方法ですが、日本ではあまり行なわれていません。
●二次性多血症の治療
 エリスロポエチンの分泌を促進している原因を取り除きます。
 たとえば、エリスロポエチンを分泌する腫瘍(しゅよう)があれば摘出し、先天性の心臓病があれば、できれば手術します。
 また、高所での生活や喫煙も原因となりますので、注意します。
 脳梗塞などの脳血管障害をおこす危険があるときは、まず瀉血を行ない、つぎに化学療法を行ないます。

出典|小学館家庭医学館について | 情報

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