大夏(読み)だいか(英語表記)Da-xia; Ta-hsia

  • たいか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

中国,漢代の史書にみえる中央アジアの地名アレクサンドロス3世 (大王)の東征ののち,現在のアフガニスタン北部に興ったバクトリア (前 255~139) をさす。『史記』にみえる張騫の情報によれば,大大月氏 (→月氏 ) に敗れ,これに支配されていたという。大夏をトハラの対音とするもあるが,確かではない。

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デジタル大辞泉の解説

代中国での北部アフガニスタンに対する呼称。ふつうバクトリア王国をさすとされるが、これを滅ぼしたトハラをさすとする説もある。
中国、五胡十六国の一。407年、匈奴(きょうど)赫連勃勃(かくれんぼつぼつ)が、後秦から独立して建国。431年に吐谷渾(とよくこん)によって滅ぼされた。夏。
西夏(せいか)

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百科事典マイペディアの解説

古代中国でバクトリア王国(現在のアフガニスタン北半)を呼んだ名称とされてきたが,近年はトカラ(トハラ)に比定する説が出されている。前者見解によれば,本来は水星)のつかさどる地域の意味で,春秋時代のの興った土地とされた。前126年張騫(ちょうけん)によって大月氏が大夏を破ったと伝えられてから,上述の意味となった。なお,西夏(1038年―1227年)は国号を〈大夏〉と称した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アフガニスタン北部や、ウズベキスタン、タジキスタンなどからなる古代地方名バクトリアの中国での呼び名。

[編集部]

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精選版 日本国語大辞典の解説

[一] バルクを中心とする北アフガニスタンの、中国での呼称。漢代のバクトリア王国にあたるとされるが、紀元前二世紀、この国を滅ぼしたトハラの音訳ともいわれる。
[二] 中国の五胡十六国の一つ。四〇七年、匈奴が後秦に背いて建てた国。四三一年、吐谷渾(とよくこん)に滅ぼされた。

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

ヒンドゥークシ山脈とアム川の間の地方を漢代の中国人が呼んだ名称
当時この地にバクトリア王国が存在したが,やがて前2世紀トハラに滅ぼされた。中国史料に見える大夏は従来バクトリアとされていたが,近来はトハラとされ,大月氏 (だいげつし) とトハラを同一視する説も疑問視されている。

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世界大百科事典内の大夏の言及

【赫連勃勃】より

…代々劉氏を称してオルドス地方の諸部族を統率,父の衛辰は後秦に仕え,北魏に敗れて殺された。勃勃は407年後秦より独立して大夏国を建設,天王・大単于と号した。418年関中を平定して皇帝を称した。…

【西夏】より

…李元昊は河西各地を収めたのち,独立意識に燃えて国家建設に着手し,興州を興慶府と改めて都とし(現在の寧夏回族自治区銀川市),宋制にならって文武の官制をたて,年号をたて,兵制を定めて十二監軍司などを設けて防衛を固めた。38年(天授礼法延祚1),皇帝を称し,国号を大夏と定めた。宋の北西に当たるため,宋では西夏といった。…

【トゥハーリスターン】より

…トカラ(吐火羅),トハラともよばれた。この地域は古くからインド,西アジア,中央アジアを結ぶ交通の要衝にあたり,トゥハラ人の名は既にストラボンの《地理誌》に挙げられ,また《史記》大宛伝の大夏がそれにあたると考えられる。玄奘の《大唐西域記》巻一に覩貨邏(とから)として記述され,その地域の文字,言語,風俗が中央アジアのソグドやヒンドゥークシュ山脈以南のインド世界とも異なることを指摘している。…

【バクトリア王国】より

…アイ・ハヌムはバクトリア王国の副都か,東方の重要都市であったにちがいない。西方や中国側史料によれば,バクトリア王国(中国史料の大夏に相当する)は前150年ころ,シル・ダリヤのかなたから侵入してきた大月氏(月氏(げつし))によって滅亡したという。残余のギリシア人はヒンドゥークシュの南へ逃れ,しだいに土着化した。…

【李元昊】より

…一方,礼楽を定め,蕃・漢二字院を設けたが,李元昊は西夏文字の創造に独立意識をもやし,文字公布の広運3年を記念して年号を大慶元年(1036)に改めた。1038年皇帝を称し,国を大夏と号して対宋独立を宣言した(宋から見ると北西にあたるため宋では西夏と呼んだ)。これより宋・夏の抗戦は激化し,夏軍はしばしば勝利したが,連年の戦いに損害は大きく,44年にいたって臣礼をとり,宋は銀,絹,茶を歳賜として与え,互市を許した。…

※「大夏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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