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大江卓 オオエタク

百科事典マイペディアの解説

大江卓【おおえたく】

明治の政治家,実業家。号は天也。19歳で土佐(とさ)高知藩の陸援隊に入り討幕に参加。1871年,えた・非人の廃止を政府に建言。マリア・ルース号事件を処理。立志社の一員として西南戦争に呼応し挙兵を企て禁獄10年。
→関連項目陸奥宗光

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

大江卓 おおえ-たく

1847-1921 明治-大正時代の政治家。
弘化(こうか)4年9月25日生まれ。賤民身分の廃止を政府に提言し明治4年実現。神奈川県権令(ごんれい)のときペルー船の中国人奴隷を解放する。岳父後藤象二郎の大同団結運動に参加。23年衆議院議員。東京株式取引所頭取など実業界でも活躍した。大正10年9月12日死去。75歳。土佐(高知県)出身。本姓は斎原。通称は秀馬,治一郎。別名に土居卓造。号は天也。

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朝日日本歴史人物事典の解説

大江卓

没年:大正10.9.12(1921)
生年:弘化4.9.25(1847.11.2)
明治期の内務官僚,政治家。土佐(高知)藩家老伊賀氏の家臣斎原弘の子,通称秀馬,治一郎,卓造。天也と号す。幕末に長崎で砲術を学び尊攘の志士として行動,明治1(1868)年兵庫県出仕を振り出しに神奈川県参事,同県権令を経歴。神奈川県権令の5年秋,ペルー船籍マリア・ルス号事件で中国人苦力を解放し,国際的に評価された。また芸妓・娼妓解放を手掛けた。大蔵省記録権頭の8年10月官を辞し,後藤象二郎の女婿となり後藤の高島炭鉱経営など事業に従事,10年には立志社挙兵計画の銃器購入を担当,11年捕縛され禁獄10年の刑に処せられ17年まで岩手監獄で服役。20年,後藤の大同団結運動の参謀になったが,後藤の入閣で運動は分裂した。最初の衆院議員総選挙(1890)では岩手県で出馬して当選,25年に実業界に転じ,東京株式取引所副会頭,朝鮮の京釜鉄道株式会社の創設に参画,朝鮮政府の顧問を務めたり中国大陸を漫遊して東亜同盟論を唱道,大正2(1913)年には帝国公道会を設立,被差別部落の解放運動を指導した。<著作>『鉄櫺詩存』<参考文献>雑賀博愛『大江天也伝記』

(福地惇)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

おおえたく【大江卓】

1847‐1921(弘化4‐大正10)
明治の政治家,のち実業家。土佐幡多郡宿毛(すくも)に生まれる。名ははじめ斎原治一郎,のち土居卓造と称す。1867年(慶応3)土佐陸援隊に入り倒幕運動に参加。68年伊藤博文の推挙により兵庫県判事試補となる。71年〈穢多非人廃止建白書〉を民部大輔大木喬任に提出。72年神奈川県権令となり,外務卿副島種臣の命をうけて,横浜に寄港したペルー国汽船マリア・ルース号の中国人苦力虐待問題の裁判長となり,奴隷売買は人道に反すと判決して苦力231名全員を本国に送還さす(マリア・ルース号事件)。

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大辞林 第三版の解説

おおえたく【大江卓】

1847~1921) 政治家・事業家。土佐の人。神奈川県権令の時、ペルーの奴隷船マリア-ルーズ号から清国人を解放。西南戦争に呼応して蜂起をはかり入獄。のち実業界に転じ、被差別部落の融和事業に携わった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大江卓
おおえたく
(1847―1921)

明治・大正期の政治家、実業家、社会事業家。天也(てんや)と号す。弘化(こうか)4年9月25日、土佐藩の下級武士の家に生まれる。討幕運動に参加、1871年(明治4)穢多非人(えたひにん)の廃止を民部省に建議、翌1872年のマリア・ルーズ号事件に際しては神奈川県権令(ごんれい)として中国人奴隷を解放する。1877年、西南戦争に呼応した反政府挙兵に失敗し、翌1878年入獄。1884年に出獄後は大同団結運動、立憲自由党結成に参加し第1回総選挙に当選するが、政府と妥協して失脚。財界に転じ1901年(明治34)京釜(けいふ)鉄道株式会社の創立に参加する。1913年(大正2)には融和団体帝国公道会を設立し、1914年出家して政財界との絶縁を宣言する。以後、部落問題と取り組み、社会一般の啓蒙(けいもう)を行うが、治安対策的立場が強く、しだいに労働問題にも目を向けていった。大正10年9月12日死去。[藤野 豊]
『雑賀博愛著『大江天也伝記』(1926・大江太) ▽三好徹著『大江卓──叛骨の人』(学陽書房・人物文庫)』

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世界大百科事典内の大江卓の言及

【部落解放運動】より

…とくに江戸時代後期には,岡山藩で起こった渋染一揆をはじめ,厳しい支配と差別に対する抵抗が強まった。また幕末期には,加賀藩の千秋藤篤(有磯)や日出(ひじ)藩の帆足万里らが身分解放論を唱え,明治維新期には,加藤弘之や大江卓らが賤民身分の廃止を主張した。明治政府は1871年(明治4),その富国強兵政策の一環として,太政官布告により封建的賤民身分の廃止を宣言した(いわゆる〈解放令〉)。…

※「大江卓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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