大津絵節(読み)オオツエブシ

デジタル大辞泉 「大津絵節」の意味・読み・例文・類語

おおつえ‐ぶし〔おほつヱ‐〕【大津絵節】

俗曲大津絵のこっけいな画題を詠み込んだものだが、替え唄が多い。幕末流行

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精選版 日本国語大辞典 「大津絵節」の意味・読み・例文・類語

おおつえ‐ぶしおほつヱ‥【大津絵節】

  1. 〘 名詞 〙 幕末から明治初期にかけて流行した俗謡大津絵の戯画題材とした歌詞が元唄であるが、のちに多くの替え唄が作られた。大津絵。〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「大津絵節」の意味・わかりやすい解説

大津絵節 (おおつえぶし)

俗曲の曲名。江戸後期に全国的に流行し,現在でもうたい継がれている。以前は〈大津の名物二上り〉といわれ,現在の滋賀県大津市がまだ宿場町であったころ,遊里柴屋町の妓女たちが歌いだしたのが初めといわれている。同地土産として売られていた,災厄よけの一枚絵の画題をつづり合わせた内容が元歌で,流行とともに多くの替歌が作られ,略して〈大津絵〉ともいい,各地方に広く伝えられている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大津絵節」の意味・わかりやすい解説

大津絵節
おおつえぶし

江戸末期の流行唄(はやりうた)。大津と京都を結ぶ逢坂関(おうさかのせき)には、大津絵を売る店が立ち並んでいた。これに題材を求めたのが、1700年代初頭の「大津おひわけゑ踊」(『松の落葉収載)である。しかし現代に伝わっているのは、嘉永(かえい)年間(1848~54)から明治にかけて流行した曲節で、梅川忠兵衛の物語を歌った「大阪を立ち退(の)いて」が一般に知られている。各地で数多くの替え歌がつくられたが、たとえばペリー来航時の民衆の反応、幕末文化人の作品づくし、文明開化による生活環境の変化など、世相や人情の一端をうかがうことができる。明治時代には寄席(よせ)でも盛んに歌われた。

[倉田喜弘]

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百科事典マイペディア 「大津絵節」の意味・わかりやすい解説

大津絵節【おおつえぶし】

大津絵とも。俗曲の曲名。本来は大津絵を歌いこんだ歌謡のこと。現行するものは,江戸時代末期に流行した二上りの曲で,比較的単純な曲節を持つ。梅川忠兵衛を扱った歌詞で知られるが,時期や地域に応じて各種の替歌が作られ流布した。なかには山形や会津地方のもののように,土地の民謡化したものもある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大津絵節」の意味・わかりやすい解説

大津絵節
おおつえぶし

俗曲の形式名。滋賀県の大津で,みやげものに売られた絵の画題を綴り合せて,その地の遊女が歌いだしたもの。物尽しの歌詞が多い。

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