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大犯三箇条 だいぼんさんかじょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大犯三箇条
だいぼんさんかじょう

鎌倉時代の守護職掌のうち大番催促 (おおばんさいそく) ,謀反 (むほん) ,殺害人の3項をいう。この職掌の初見は正治1 (1199) 年であるが,貞永1 (1232) 年『御成敗式目』に初めて上の3項を大犯三箇条と称し,夜討,強盗,山賊,海賊などの追捕 (ついぶ) をつけ加えて,守護の職務と定めた。南北朝時代以降の守護は多くの権限を獲得していったが,依然として大犯三箇条は主要なものとなっていた。

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デジタル大辞泉の解説

たいぼん‐さんかじょう〔‐サンカデウ〕【大犯三箇条】

鎌倉時代、守護に与えられた職務権限大番役の催促と謀反人および殺害人の追捕の三条をいう。

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百科事典マイペディアの解説

大犯三箇条【だいぼんさんかじょう】

鎌倉・室町時代の各国守護の主要な職権御家人大番役催促,謀反人・殺害人の追捕の3ヵ条をいう。源頼朝の時代に定められ,1232年の《御成敗式目》ではこれに夜討・強盗・山賊・海賊の検断を追加。
→関連項目使節遵行

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世界大百科事典 第2版の解説

だいぼんさんかじょう【大犯三箇条】

鎌倉・室町幕府において,守護の職権事項と定められた,謀叛人,殺害人の検断と京都大番役の催促の3項をいう(この場合の守護検断権の本質が,守護が公家領・本所領にも立ち入って犯人を逮捕できる点にあるか,犯人の処断にあるかは説が分かれている)。この職権規定は将軍源頼朝の時代に設けられたが,その後,1232年(貞永1)制定の《御成敗式目》では夜討,強盗,山賊,海賊が加えられ,放火も盗賊に準ずる犯罪として同じ扱いになったようである。

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大辞林 第三版の解説

たいぼんさんかじょう【大犯三箇条】

鎌倉時代、守護の権限のうち最も重要な三つの事項。大番催促、謀反人の検断、殺害人の検断のこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大犯三箇条
だいぼんさんかじょう

鎌倉時代の守護の職務権限。謀反、殺害(せつがい)の二大重罪犯人の追捕(ついぶ)(逮捕)と、管国内御家人(ごけにん)を率いて京都大番(おおばん)役を勤める大番催促の三つをいう。前者は管国内警察権、後者は管国内軍事指揮権を意味する。御成敗式目(ごせいばいしきもく)では前者に夜討・強盗・山賊・海賊の追捕権を付加する。大犯三箇条は源頼朝(よりとも)時代に定められたというが、実際には地域や守護の出自によって差があり、守護不入権をもつ本所(ほんじょ)や地頭(じとう)との関係など複雑である。大番も有力御家人の場合は守護の指揮下に入らず直接勤仕(ごんじ)している。なお守護の権限は拡大される傾向にあり、室町幕府では下地遵行(したじじゅんぎょう)(判決の強制執行)、闕所(けっしょ)処分などが付加され、守護の大名化の契機をなした。16世紀には放火・殺人・盗犯(日葡(にっぽ)辞書)の意に転化している。[羽下徳彦]

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世界大百科事典内の大犯三箇条の言及

【盗み】より

…この刑罰の賠償制は,盗みを単なる物の移動としてとらえ,その物の返済,もしくはその不当な占有期間に見合う弁償を加えれば,罪を解消し原状を回復しうるという考え方にたつもので,世界諸民族の盗犯に対する法の標準的法理であったといえる。前者の社会的な窃盗重罪観は,鎌倉幕府の〈大犯三箇条(だいぼんさんかじよう)〉に対して,中世後期,殺人,放火,盗みを内容とする新しい〈大犯三箇条〉の語を生みだしたことに象徴されるように,一貫して現実の社会に機能していた。盗みに対しては見つけしだい打ち殺すのが,この世界でのルールであり,犯人の妻子まで縁坐として処刑されることもまれではなかった。…

【謀叛】より

…平安後期以降は反と叛の区別は意識されず,君主,主人に〈そむく〉行為はおしなべて謀叛と称された。中世でも最大の犯罪とみなされたことは当然で,鎌倉幕府法ではいわゆる大犯(だいぼん)三箇条の筆頭として謀叛,殺害(夜討,強盗,山賊,海賊もこれに準ずる),大番催促と列挙される。大犯三箇条の犯罪の追捕権は守護にあるから,守護使不入の特権を有する本所領(荘園)にも,謀叛人追捕のためには守護は入部することができた。…

※「大犯三箇条」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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