大越(ベトナムの国号)(読み)だいえつ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大越(ベトナムの国号)
だいえつ

王朝時代のベトナムの国号。古くから越(ベト)を自称し、10世紀に中国から独立したベトナムは、初め丁朝(ディン朝)が国号を大瞿越(だいくえつ)(ダイコベト)と称したが、李(り)朝(リイ朝)の聖宗に至って新たに国号を建てて大越(ダイベト)を号した。中国は李朝6代英宗を初めて安南国王に封じ、以後歴代諸朝がこれを踏襲したために、中国ではベトナムを安南国とよんだが、大越の国号は李朝のあと陳朝(チャン朝)に引き継がれ、陳朝を簒奪(さんだつ)した胡(こ)朝(ホ朝)が一時大虞(だいぐ)(ダイグ)を称した時期を除き、黎(れい)朝(レ朝)もまた大越を称した。1804年阮(げん)朝(グエン朝)世祖が国号を越南(えつなん)(ベトナム)に改めて大越は廃され、聖祖が越南を大南に変えたが、今日では越南がその国号となっている。

[川本邦衛]

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