大麻山南麓の字
「延喜式」神名帳記載の
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
徳島県鳴門市大麻町に鎮座。大麻比古神,猿田彦大神をまつる。《古語拾遺》によると,神武天皇の時代,太玉命(大麻比古神)の孫,天富命は,肥沃の地を阿波国に求め,榖(かじ)と麻の種を植えたという。のちに天富命が阿波国の守護神として太玉命をまつる太玉命社を建てたのが,当社のはじめといわれている。猿田彦大神は古く大麻山の峰にまつられていたが,のち,当社に合祀されたと伝えられる。古来,衆庶の篤い信仰が寄せられ,883年(元慶7)従四位上の神位を賜り,《延喜式》には名神大社として見え,阿波国一宮でもあった。大祭は11月1日。旧7月18日には奥宮例祭があり,大麻山頂にある奥宮峯神社の神幸祭がある。旧国幣中社。
執筆者:落合 偉洲
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徳島県鳴門(なると)市大麻町に鎮座。大麻比古大神(おおかみ)を主神とし、猿田彦(さるたひこ)大神を配祀(はいし)する。創建年代不詳。社伝では、天太玉命(あめのふとだまのみこと)の子孫天富命(あめのとみのみこと)が勅命を受け、阿波(あわ)国に至り、粟(あわ)、麻などを植え殖産興業の基を開き、大麻比古神を奉斎したことに始まるという。859年(貞観1)に従(じゅ)五位上、883年(元慶7)に従四位上、延喜(えんぎ)の制で名神(みょうじん)大社に列した。中世以降、細川、三好(みよし)、蜂須賀(はちすか)氏ら武将に崇敬され、神領寄進また社殿の造営を受けた。明治の制で国幣中社。例祭11月1日のほか、特殊神事に鎮火祭(2月節分)、大御神楽祭(おおみかぐらさい)、湯神楽祭(いずれも旧暦3月12日)などがある。
[鎌田純一]
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