出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
埼玉県南部、飯能市(はんのうし)の市街地北西にある標高195メートルの山。古くは山麓(さんろく)にある能仁寺(のうにんじ)に祀(まつ)ってある愛宕権現(あたごごんげん)から愛宕山といわれたが、元禄(げんろく)年間(1688~1704)頂上近くに十六羅漢を安置して以来、羅漢山とよばれていた。天覧山の地名は、1883年(明治16)明治天皇が陸軍大演習の際この山に登られ統監したことによる。県立奥武蔵(おくむさし)自然公園の玄関口で、奥武蔵自然歩道はここを起点とする。山頂には秩父中・古生層の珪岩(けいがん)が露出し、山頂からの眺望はよく、関東平野を一望できる。能仁寺は明治維新の飯能戦争の際、振武(しんぶ)隊が立てこもったところである。山麓には市民運動場がある。
[中山正民]
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