天長(読み)テンチョウ

デジタル大辞泉 「天長」の意味・読み・例文・類語

てんちょう【天長】[年号]

平安初期、淳和天皇仁明天皇の時の年号。824年1月5日~834年1月3日。

てん‐ちょう〔‐チヤウ〕【天長】

天がいつまでも存在すること。

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精選版 日本国語大辞典 「天長」の意味・読み・例文・類語

てん‐ちょう‥チャウ【天長】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 天がいつまでも変わらないで存在すること。→天長地久
      1. [初出の実例]「争北辰之天長、无事明哉、将南嶽之地久」(出典:性霊集‐六(835頃)奉為桓武皇帝講太上御書金字法花達)
    2. てんちょうせつ(天長節)
      1. [初出の実例]「又 天長の佳節に値ふ。万邦畢く祝し、四海同じく歓ぶ」(出典:風俗画報‐三〇〇号(1904)天長の佳節)
  2. [ 2 ] 平安時代、淳和、仁明天皇の代の年号。弘仁一五年(八二四)一月五日に前年の天皇即位により改元、天長一一年(八三四)一月三日に承和(じょうわ)元年となる。左大臣藤原冬嗣・緒嗣。出典は「老子」の「天長地久、天地所以能長且久者、以其不自生、故能長生」。

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普及版 字通 「天長」の読み・字形・画数・意味

【天長】てんちよう(ちやう)

天果てなし。悠久なる天。王の誕生日。〔旧唐書、玄宗紀〕(天宝七年)秋千秋を改めて、天長と爲す。

字通「天」の項目を見る

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日本の元号がわかる事典 「天長」の解説

てんちょう【天長】

日本の元号(年号)。平安時代の824年から834年まで、淳和(じゅんな)天皇、仁明(にんみょう)天皇の代の元号。前元号は弘仁(こうにん)。次元号は承和(じょうわ)。824年(弘仁15)1月5日改元。淳和天皇の即位にともない行われた(代始改元)。淳和は即位後、先帝で兄の嵯峨(さが)天皇の皇子、正良(まさら)親王(後の仁明天皇)を皇太子とする。仁明天皇は833年(天長10)、淳和の譲位を受け即位した。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「天長」の解説

てんちょう【天長】

和歌山の日本酒。酒名は、老子の「天長地久(天は長く地は久し)」から命名大吟醸酒純米吟醸酒本醸造酒などがある。平成4、5年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦など。仕込み水は紀の川の伏流水。蔵元の「天長島村酒造」は明治18年(1885)創業。所在地は和歌山市本町。

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世界大百科事典(旧版)内の天長の言及

【天長節】より

…天皇誕生日の旧称。天長の語は《老子》の〈天は長く地は久し〉に由来し,すでに中国の皇帝もその誕辰の日を天長節と称していたが,日本では,775年(宝亀6)9月光仁天皇が,10月13日の誕辰の日を天長節と称し,その日百官に酺宴(ほえん)を賜い,天下諸寺の僧尼に経を読み仏道を行い,国家安泰,聖寿万歳の祈禱を行わしめ,あわせて殺生を禁断させると勅し,ついで同年10月13日初めて天長節が祝われたのが起源である。その4年後にも天長節を祝った記事が正史にあるが,以後永くすたれ,1868年(明治1)9月22日明治天皇の誕辰を天長節と称して復活した。…

※「天長」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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