奥尻島(読み)オクシリトウ

デジタル大辞泉 「奥尻島」の意味・読み・例文・類語

おくしり‐とう〔‐タウ〕【奥尻島】

北海道南西部、日本海上の島。奥尻郡奥尻町をなす。奥尻港・青苗港があり、漁業が盛ん。面積143平方キロメートル。

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共同通信ニュース用語解説 「奥尻島」の解説

奥尻島

北海道の渡島半島西側にある道内最西端の離島で、面積は約143平方キロメートル。島名の由来はアイヌ語「イクシュン・シリ」で「向こうの島」を意味する。1961年に8200人ほどいた人口は今年6月末には約2300人まで減少し、65歳以上の高齢者が全島民の約4割を占める。1993年7月12日夜に発生した北海道南西沖地震(マグニチュード7・8)では2~3分後に巨大津波が襲来、南部の青苗地区はほぼ壊滅し、島内の死者・行方不明者は198人に及んだ。

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精選版 日本国語大辞典 「奥尻島」の意味・読み・例文・類語

おくしり‐とう‥タウ【奥尻島】

  1. 北海道南西部、渡島(おしま)半島西方の島。江戸時代はほぼ無人の島で、流刑地とされた。現在は、漁業・観光の島。面積一四三平方キロメートル。

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日本歴史地名大系 「奥尻島」の解説

奥尻島
おくしりとう

渡島半島の西方沖、日本海上にある孤島。東西一一キロ・南北二七キロ、周囲八四キロ、面積一四二・九七平方キロ。檜山・爾志にし久遠くどお太櫓ふとろ瀬棚せたなの各郡に面し、久遠郡尾花おばな(現北檜山町)からは二六キロ。北海道西海岸の離島のうちでは利尻りしり島に次ぐ大きさである。現在一島で奥尻郡奥尻町の一郡一町。島の最高地点は標高五八四メートルの神威かむい岳、そのほかは全島低平で海成段丘が多い。幌内ほろない川・青苗あおなえ川などの河川に恵まれ、水の便はよい。四季を通じて道内としては寒暖の差が少なく、積雪量も少ない。

津軽一統志」に熊石くまいし(現熊石町)から太田おおた(現大成町)に至る間の「せつき内村」(関内村、現熊石町)の「沖に大島あり、おくしりの島と申也」とあり、元禄郷帳には西在として「おこしり島」とみえる。享保二年(一七一七)の「松前蝦夷記」に「蝦夷地之内西ノ方」として「奥尻島」「人居無之真水有之、但、従松前三十四里、蝦夷地大田崎より三里」とある。

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改訂新版 世界大百科事典 「奥尻島」の意味・わかりやすい解説

奥尻島 (おくしりとう)

北海道南西部,江差町の北西約60kmの日本海にある島。1島で檜山支庁奥尻郡奥尻町をなす。人口3033(2010)。周囲84km,面積143km2で,道内の島では利尻島に次ぐ大きさである。松前氏の祖となった武田信広が15世紀に渡道の途中,一時居住したといわれる。東岸には海岸段丘がよく発達しており,西岸は急崖をなしている。最高点は中央部の神威(かむい)山の584m。中心集落は東海岸の奥尻と南端の青苗で,その他の集落も大半は東海岸沿いにある。島の周辺は水産資源に恵まれ,イカ,ホッケアワビ,ウニなどを主とする漁業が中心で,水揚高は檜山支庁管内の約1/3を占めている。近年乱獲のためイカ漁の水揚げが大幅に落ちこみ,これに代わってアワビやホタテガイなどの養殖が重視されている。南部の平たん地では水稲栽培も行われるが,生産量はわずかである。海岸段丘の緩やかな傾斜地では肉牛飼育に重点をおいた牧畜も見られる。島への交通は,従来,江差~奥尻間,江差~青苗間のフェリーボートに頼っていたが,1974年青苗の近くに奥尻空港が開港して函館,札幌と結ばれ(2008年現在は函館のみ),島への主要交通手段となっている。また,観光客の多い夏に限って瀬棚~奥尻間にもフェリーボートが運行される。渡島(おしま)半島西岸とともに檜山道立自然公園を形成し,島の北端の稲穂岬,その近くの賽(さい)ノ河原,鍋釣(なべつる)岩,ホヤ石ノ滝,無縁島海岸などの荒削りの海岸地形が有力な観光資源となっている。西海岸には神威脇温泉,幌内温泉がある。冬季のしけによる出漁日数の制約,生産物の本島への搬出のむずかしさから漁民の経済的基盤が悪化し,そのため島を離れる漁民も多く,過疎化が進行している。1993年7月,北海道南西沖地震が起こり,島の南西岸が水没,200余名の死者が出るなど,大きな被害を受けた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「奥尻島」の意味・わかりやすい解説

奥尻島
おくしりとう

北海道南西部,渡島半島西方約 18kmの日本海上にある島。全島奥尻町に属する。地名はアイヌ語のイクシュンリ (向こうの島の意) によるという。島は南北に細長く,最高所は神威山 (584m) 。全島に海岸段丘および海食崖が発達する。標高 3mの最低段丘面から 280~300mの最高段丘面まで 10段もの段丘面がみられる。南部の青苗,東部の奥尻に港があり,かつてはニシン漁で栄えた。 1993年の北海道南西沖地震では,震源に近かったため島全体が津波の直撃を受け,大きな被害を出した。全島が檜山道立自然公園に属する。奥尻空港から函館に定期便があり,奥尻港より江差町,せたな町へフェリーが運航している。面積 142.97km2。人口 3921 (2000) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「奥尻島」の意味・わかりやすい解説

奥尻島
おくしりとう

北海道南西部、渡島(おしま)半島の西約20キロメートルにある日本海の島。檜山(ひやま)振興局管内の奥尻町1町からなる。島名はアイヌ語の「イクシュンシリ」(向こうの島)より転訛(てんか)したもの。面積142.98平方キロメートル、海岸延長68キロメートル。島の最高点は神威(かむい)山(585メートル)。北西岸を除いて島全体に海岸段丘がよく発達し、とくに南部に著しい。段丘面はおもに畑に利用される。西側は陸棚が発達し、海底は約3000メートルの急崖(きゅうがい)になっている。住民登録人口3343(2009)、2010年国勢調査人口3033。

[瀬川秀良]

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百科事典マイペディア 「奥尻島」の意味・わかりやすい解説

奥尻島【おくしりとう】

北海道渡島(おしま)半島西方約20kmにある面積142.69km2の島。数段の海食面が発達,中央に神威(かむい)山(584m)があり,海岸の平地は狭い。全島奥尻町をなす。近世には〈おこしり島〉などとみえ,オットセイやニシンの漁が行われた。集落は海岸に点在。北端の稲穂岬に灯台がある。1993年7月北海道南西沖地震により大被害をうけた。
→関連項目大成[町]

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