女の一生(森本薫の戯曲)(読み)おんなのいっしょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

女の一生(森本薫の戯曲)
おんなのいっしょう

森本薫(かおる)の戯曲。5幕。1945年(昭和20)4月、文学座が久保田万太郎演出により東京・渋谷の東横映画劇場で初演。46年、作者自身が改訂を加え、文明社から単行本として刊行。日露戦争の勝利から第二次世界大戦による敗戦まで、明治・大正・昭和の3代にわたって「家」を守り抜いた女主人公(布引(ぬのびき)けい)の一代記的ドラマで、文学座の代表作だけでなく、初演以来主演し続けた杉村春子当り役として、上演回数は700回を超える。中国貿易で財をなした堤家に拾われた孤児けいは、女中として働くうちに当主しずに見込まれ、次男栄二への思いを捨てて、長男伸太郎の妻となる。けいは、無能な夫にかわって家業をもり立てるが、かえって周囲の人々や夫から離反され、ひとり苦難に耐える。やがて敗戦。堤家の焼け跡にたたずむけいは、大陸から帰った栄二に再会する。60年(昭和35)第1回訪中新劇団のレパートリーにも選ばれ、各地で好評を博した。

[大島 勉]

『『現代日本文学大系83』(1970・筑摩書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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