女坂(読み)オンナザカ

デジタル大辞泉 「女坂」の意味・読み・例文・類語

おんな‐ざか〔をんな‐〕【女坂】

高所にある神社仏閣などに通じる2本の坂道うち傾斜の緩やかなほうの坂。→男坂
[補説]書名別項。→女坂
[類語]坂道山坂急坂男坂上り坂下り坂爪先上がり胸突き八丁スロープ

おんなざか【女坂】[書名]

円地文子小説明治時代、封建的な家に嫁いだ女性半生を描く。昭和32年(1957)刊行同年、第10回野間文芸賞受賞。

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精選版 日本国語大辞典 「女坂」の意味・読み・例文・類語

おんな‐ざかをんな‥【女坂】

  1. 〘 名詞 〙 高い所にある神社、仏閣などに通じる二筋の坂道のうち、傾斜のなだらかなほうの坂。⇔男坂
    1. [初出の実例]「おんなざかとはよくつけた〈略〉すそを引きあげるやらと、わる口いいながら、連だちおりれば」(出典:咄本・鼠の笑(1780)女ざか)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「女坂」の意味・わかりやすい解説

女坂
おんなざか

円地文子(えんちふみこ)の長編小説。1949~57年(昭和24~32)『小説新潮』などに発表。57年角川書店刊。大書記官白川行友の妻倫の忍従の半生記。夫の妾(めかけ)と住み、使用人長男の嫁にも通じる夫に耐えて事の始末にあたり、女の坂のなかばで病死する明治の女の抑圧された自我と情を描く。自分が死んでも葬式など出さず、死骸(しがい)を品川の沖へ持って行って、海へざんぶり捨ててもらえばたくさんという夫への最後の伝言は強烈である。野間文芸賞受賞作。

竹西寛子

『『女坂』(角川文庫・新潮文庫)』

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