(読み)コウ

デジタル大辞泉 「孔」の意味・読み・例文・類語

こう【孔】[漢字項目]

常用漢字] [音]コウ(漢) ク(呉) [訓]あな
あな。「眼孔気孔穿孔せんこう瞳孔どうこう鼻孔
孔子のこと。「孔孟こうもう孔門
[名のり]うし・ただ・みち・よし
難読孔雀くじゃく針孔みぞ針孔めど

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精選版 日本国語大辞典 「孔」の意味・読み・例文・類語

こう【孔】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 低くくぼんだ所。また、うつろに貫いた所。〔医語類聚(1872)〕
    2. あなのあいた銭。すなわち一文銭のこと。
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 一文銭の数を数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「八孔(コウ)の価にて只二つ売りたる燈籠が」(出典随筆・閑窓瑣談(1841)二)

ありな【孔】

  1. 〘 名詞 〙 江戸中期の国学者富士谷成章(ふじたになりあきら)の用いた文法用語。動詞(事(こと))のうち、特にいわゆるラ行変格活用の動詞「あり」について名付けた。
    1. [初出の実例]「ありなに『あり』といひ、脚結(あゆひ)に『あり』と言ふ」(出典:あゆひ抄(1773)おほむね)

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普及版 字通 「孔」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 4画

[字音] コウ
[字訓] あな

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
子の後頭部に竅(あな)のある形。〔説文〕十二上に「るなり」と訓し、「乙(いつ)と子に從ふ。乙(燕)は子をふの候鳥なり。乙至りて子を得。之れを嘉美するなり」とするが、金文字形は乙に従う形とはみえず、子の後頭部に、小曲点を加えた形である。金文の〔季子白盤(かくきしはくばん)〕に「王孔(はなは)だ白(子白)に義(儀)を加ふ」「孔だ(あき)らかにして光(あ)(有)り」など、孔甚の意に用いる。出生児の後頭部に、生子儀礼として剃刀を加えるなどのことがあって、それは嘉礼とされたのであろう。〔説文〕にまた「古人、名は嘉、字は子孔」と名字対待の例をしるしている。嘉礼の意よりして、大なり、甚なりなどの義を生じたのであろう。

[訓義]
1. あな。
2. とおる。
3. はなはだ、おおきい。

[古辞書の訓]
和名抄孔竅 竝びに阿奈(あな) 〔名義抄〕孔 アナ・ハナハダ・オホイナリ・イタル・アヒダ・ネムコロニ 〔字鏡集〕孔 アナ・ハナハダ・コハミ・アト・イタル・アヒダ・ネムコロニ・オホキナリ・ハナハダシ

[声系]
〔玉〕に孔声の字として吼を収め、「牛鳴くなり」という。字はまた吽に作る。吼はその擬声語であろう。

[語系]
孔・(空)khongは同声。好xuも声義の関係があり、好とは璧好、環のように璧の中孔あることをいう。孔はそのような形に髪を剃るのかもしれない。khiong、kheong、khuanは、ものを通すような孔穴をいう。

[熟語]
孔嘉孔罅孔懐・孔竅孔隙・孔穴孔壺孔静孔席孔碩・孔徳・孔壁・孔方・孔林
[下接語]
眼孔・気孔・蟻孔・孔・隙孔・穴孔・鑿孔・鑽孔・孔・銭孔・洞孔・瞳孔・鼻孔

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