学芸会(読み)ガクゲイカイ

デジタル大辞泉 「学芸会」の意味・読み・例文・類語

がくげい‐かい〔‐クワイ〕【学芸会】

小学校で、児童学習成果としての音楽演劇などを発表する会。

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精選版 日本国語大辞典 「学芸会」の意味・読み・例文・類語

がくげい‐かい‥クヮイ【学芸会】

  1. 〘 名詞 〙 小・中学校などで、児童、生徒が劇や音楽を中心に発表する行事
    1. [初出の実例]「記念日の学芸会(ガクゲイクヮイ)卒業式の余興には」(出典:漫才読本(1936)〈横山エンタツ〉自序伝)

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改訂新版 世界大百科事典 「学芸会」の意味・わかりやすい解説

学芸会 (がくげいかい)

児童・生徒の学習成果に基づき,特別のプログラムをもって劇,朗読合唱合奏舞踏などを子どもたちに発表させる学校行事。展覧会,文化祭などと呼ぶこともある。古くは,江戸中期からの寺子屋での席書(せきがき),天神講など寺子の清書をはり出して展覧する行事があり,明治前半期の小学校では,就学の効果を示す目的から定期試験ののちに優等生に学習成果を発表させる行事が成立,普及し,やがて近隣の学校が共同して〈教育品展覧会〉を組織する場合があった。その後小学校での試験が廃止され,また就学率の上昇により児童数の増加をみるに至り,学校単位の〈展覧会〉が行われるようになった。これがのちの学芸会へと転化するには,図画唱歌教育の普及や児童文学の浸透などに加えて,大正期自由教育,児童中心主義教育の興隆をまたなければならなかった。権力側の奨励により1890年代に普及をみた運動会とは対照的に,学芸会は〈演劇的行動〉の取締り(1909年文部大臣訓令,1924年文部大臣訓示・文部次官通牒)や〈知育偏重批判論〉によって曲折の途をたどり,1930年代にようやく普及をみる。第2次大戦後は,特別教育活動の一つとして教育課程に位置づけられて(1951),隆盛となり,戦前の優等生中心の運営から,全児童・生徒の参加が重視されるようになった。種目も展示,劇,合奏,合唱などのほか,ページェント,交響詩など多彩な内容が盛りこまれ,日常の学習活動に基礎をおきつつも,親と子の交流の場として,また学校生活の重要な節目の一つとして機能を果たしている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「学芸会」の意味・わかりやすい解説

学芸会
がくげいかい

児童・生徒に表現的、創造的な集団活動の楽しさを体験させるとともに、平素の学習の成果を相互に交流させることを目的に、通常は全校的な規模で、演劇や合唱などを主とする特別なプログラムを編成し、学年や学級単位にそのできばえを競い合う総合的な教育活動。明治時代以来、運動会と並ぶ代表的な学校行事とされ、学習指導要領のうえでも、学芸的行事のなかに位置づけられている。

 小学校の学芸会は、古くは、保護者や地域の人々に学校教育の実情を知ってもらうことも一つのねらいで、学業奨励会、教科練習会ともいわれ、そのために農閑期などを選んで計画されることが多かった。最近では、しだいに校内的な行事の性格を強め、卒業生を送る会などの一環として実施する学校が増えつつある。出演者も、一部少数の児童に限る傾向から、全員がなんらかの役割を分担し、参加できるようなものへと変化してきている。

 中学校や高等学校の学芸会は、演劇コンクールや合唱コンクールのように、種目を特定したうえで実施するものと、文化祭や学園祭のような、より包括的な全校行事のなかに組み入れて実施するものとに両極化しつつある。また、その計画と実施にあたっては、生徒会活動との連係を密接にして、生徒たちの自主的な集団活動の形で運営されるように指導するのが通常である。

[井上治郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「学芸会」の意味・わかりやすい解説

学芸会
がくげいかい

1897年前後から自然発生的に成立し,慣行的に普及した学校行事の一つ。当初は,教育の成果を父母や保護者に披露して就学奨励の一助にしようという意図が強く,演じられたものも理科実験,朗読,暗唱,物語,唱歌など,日常の学習活動に属するものが主であった。大正期に入ると,新教育運動や児童文芸運動の影響のもとに児童演劇が導入されて学校劇として定着し,以後次第に学芸会の中心的地位を占めるようになった。現行の教育課程においても,特別活動 (高校の場合は各教科以外の教育活動) のなかの学校行事に,学芸的行事の一つとして位置づけられており,情操の深化,社会的場面での発表能力の養成,視聴者としての鑑賞態度の育成などを主要なねらいとしている。

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