日本歴史地名大系 「安積疏水」の解説
安積疏水
あさかそすい
- 福島県:郡山市
- 安積疏水
明治新政府は維新の動乱を経て中央集権国家を樹立し、国際資本主義社会に遅ればせながら加わり、版籍奉還・廃藩置県を経て行財政政策の大きな変動のなかで、殖産興隆・富国強兵をめざした。そのなかで国家予算を無為に徒食する士族への授産政策の一つとして、全国的に荒蕪原野の開拓が進められた。明治六年(一八七三)福島県令安場保和による政府開拓資金の獲得と、郡山の富商二五人の出資資金による共賛の
工事は約三年を要し、明治一五年八月一〇日工事竣工通水式が行われた。その直前に関係村々の役職者たちは小船で隧道内部を見学、改めて国家事業でなければ完成は至難であったとの思いを大にしたという(安積疏水誌)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報