宗教法人法(読み)シュウキョウホウジンホウ

デジタル大辞泉 「宗教法人法」の意味・読み・例文・類語

しゅうきょうほうじん‐ほう〔シユウケウハフジンハフ〕【宗教法人法】

憲法で保障された信教の自由理念具体化として、昭和26年(1951)に施行された法律同法により宗教団体は法律上の権利義務を有する法人格を得て宗教法人となる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「宗教法人法」の意味・わかりやすい解説

宗教法人法
しゅうきょうほうじんほう

1951年(昭和26)4月3日施行された法律。この法律により、宗教団体は所轄庁の認証をうけて法人格を取得する。日本国憲法では、信教の自由、政教分離原則を規定(20条、89条)しており、信教の自由は、基本的人権のひとつとして保障され、個人の信仰、宗教の選択、儀式行事への参加、宗教団体の組織、宗教活動はなんの制限もうけずに保障されている。一方、国家特定の宗教のための宗教教育その他の宗教活動を行ってはならず、また、宗教団体を保護、援助してはならない。すべての宗教を公平平等に取り扱うと規定されている。政府は95年(平成7)3月に起きた地下鉄サリン事件など、一連のオウム真理教事件契機に、宗教法人法の改正審議。同年12月、解散命令請求などがある際に所轄庁に認められる質問権限のほか、所轄移管、情報開示などからなる改正が行われた。

[清水雅人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

知恵蔵 「宗教法人法」の解説

宗教法人法

宗教法人」のページをご覧ください。

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宗教法人法」の意味・わかりやすい解説

宗教法人法
しゅうきょうほうじんほう

昭和 26年法律 126号。前身は 1945年に公布された宗教法人令である。すなわち,第2次世界大戦まで,国家の政策と深くかかわっていた神道を政治から分離し,新憲法に定められた信教の自由 (20条) の原則に従ってすべての宗教を法人化しようとしたのが法人令である。これにのっとり宗教法人法が制定施行された。宗教法人の設立,規則の変更,事務の管理,合併,解散,登記など社会的行為について規則を設けるだけで,信仰上の内容についてはなんらの制約を設けていない点に特徴がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「宗教法人法」の解説

宗教法人法
しゅうきょうほうじんほう

1951年(昭和26)4月3日公布。日本国憲法の施行による信教の自由・政教分離の確立にともない制定された。宗教団体が礼拝施設などの財産を所有・維持・運用し,その目的達成のための業務・事業を運営するのに,法人格を与えるもの。この法の公布により宗教法人令は廃止。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の宗教法人法の言及

【宗教法人】より

…しかし45年の敗戦を契機に,神道に対する国教的扱いが廃され,同年12月,神社を含むすべての宗教団体を対象として法人格を取得させるための宗教法人令が制定・施行された(同令に基づくものを旧宗教法人という)。そして,48年に日本国憲法が施行され,信教の自由,政教の分離が明確にされたことを受けて(憲法20条,89条),51年4月に新たに宗教法人法が制定・施行された(同法に基づくものを新宗教法人という)。
[目的,運営]
 宗教法人法は,宗教団体が,礼拝の施設その他の財産を所有し,これを維持運用し,その他その目的達成のための業務および事業を運営することに資するため,宗教団体に法律上の能力(法人格)を与えることを目的とするものである(1条1項)。…

※「宗教法人法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」