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実効為替レート じっこうかわせれーとeffective exchange rate

知恵蔵の解説

実効為替レート

ある国の通貨の価値が他の国々の多通貨に対して、どれだけ上昇しているのか、下落しているのかを示す指標。ドルが基軸通貨になっているため、例えば円がドルに対して上昇すれば、円高といわれるが、ユーロなどに対して下落していれば、必ずしも円高とはいえず、世界との貿易でも円高の影響を受けるとはいえない。 そこで、通貨の価値を総合的に把握するための指標として、実効為替レートが使われることになる。名目実効為替レートは、ある通貨の他の諸通貨に対する為替相場の変化率を貿易量などの比率を使って加重平均して算出する。そしてこの名目実効為替レートの変化率からインフレによる通貨価値の下落分を差し引いて加重平均したものを実質実効為替レートと呼ぶ。 円の実効為替レートは、日本銀行が米ドル、ユーロ、中国人民元、韓国ウォンなど主要15通貨を対象として、毎月公表している。2007年の為替相場は、世界的なドル安のなかで、円がドルに対して相対的に安い水準を推移したことから、6月には、実質実効為替レートが22年ぶりの円安になった。

(高成田享 朝日新聞記者 / 2008年)

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

実効為替レート

国際決済銀行(BIS)が毎月公表する、世界58カ国・地域の通貨の実力を比べる指標。例えば日本企業は米国以外の国とも取引をしているため、対ドルだけでは円の実力を測れない。このため、実効為替レートは、ユーロなどドル以外の通貨との間の為替レートも貿易額をもとに加重平均して計算する。基準年の2005年を100として指数化し、数値が高いほど通貨高を意味する。「名目実効レート」から物価変動分を除いたものを「実質実効レート」という。

(2010-10-23 朝日新聞 朝刊 1経済)

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デジタル大辞泉の解説

じっこう‐かわせレート〔ジツカウかはせ‐〕【実効為替レート】

多数の国の通貨が取引される外国為替市場における通貨の相対的な実力を図る指標。対象となるすべての通貨との2通貨間為替レートを、貿易額などに応じてウエート付けして算出したもの。国際決済銀行(BIS)や各国中央銀行集計・公表している。物価の変動による影響を考慮して調整した数値を実質実効為替レート、調整前の値を名目実効為替レートという。

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百科事典マイペディアの解説

実効為替レート【じっこうかわせレート】

変動為替相場制下では,自国通貨と他国のすべての通貨との間の関係全体を把握する必要があり,そのためにつくられた為替相場指数を実効為替レートと呼ぶ。2種類があり,2国間の為替レートの加重平均値を名目実効為替レートと呼び,物価上昇率の差を控除した実質為替レートを加重平均したものを実質実効為替レートと呼ぶ。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

じっこうかわせレート【実効為替レート】

通貨の異なる各国と貿易を行なっているとき、これらの通貨に対する為替レートを、自国の輸出総額に占める各国への輸出額の比率で加重平均したもの。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

実効為替レート
じっこうかわせれーと
effective exchange rates

特定の通貨の価値が、世界の主要な外貨に対して高いか低いかを示す総合的な指数。たとえば、円に対してアメリカ・ドル、ユーロ、中国・人民元、韓国・ウォン、オーストラリア・ドルなど複数通貨との為替レートが存在することを踏まえ、二国間の為替レートだけではわからない、その通貨の国際的な実力を示す指標である。つまり実効為替レートは多通貨に対する為替レートの合成値であり、おもに国際的な輸出競争力を示すとされている。実効為替レートの算出は、まず主要外貨との間の為替レートを、一定時点を100として指数化し、輸出入の多い外貨ほど影響力があるとする前提で、それぞれの外貨を発行する国・地域との貿易額に応じて指数を加重平均して計算する。数値が高いほどその通貨価値が高く、輸出競争力がそがれていることを示し、数値が低いほど通貨価値が低く、輸出競争力があることを示している。実効為替レートに、相手国・地域の物価水準を加味して算出した指数を実質実効為替レートとよび、物価水準を加味しない指数を名目実効為替レートという。国際決済銀行(BIS)や国際通貨基金(IMF)は毎月、世界各国の実効為替レートを公表しており、これを参考に世界各国の中央銀行も自国の実効為替レートを公表している。
 日本では、日本銀行が1970年(昭和45)から実効為替レートの公表を始め、2015年(平成27)時点では59か国・地域の44通貨に対して算出した値を毎月公表している。また名目実効為替レートについては毎日公表している。日本銀行の公表値(2010年を100とした指数)によると、円の実質実効為替レートは1973年1月に68.88と最低となった後、1973年2月の変動相場制移行や1985年のプラザ合意を経て、ほぼ一貫して上昇。円が1ドル=80円を突破して円高になった1995年4月には150.25と過去最高を記録した。ただし最近は、日本の物価が下がり続けるデフレや新興国通貨の上昇に加え、日本銀行が2013年4月から実施した量的・質的金融緩和(異次元緩和)のため低下傾向にある。2014年12月には69.2と1973年以来の低水準になった。[矢野 武]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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