談合(読み)ダンゴウ

百科事典マイペディアの解説

談合【だんごう】

国や地方自治体の公共事業などの入札の際に,入札業者同士で事前に話し合って落札させたい業者を決め,その業者が落札できるように入札内容を調整すること。私法上は公序良俗違反で無効であり,刑法上は談合罪(刑法96条の3)の適用がある。また不当な取引制限となる場合には独占禁止法にも違反する。公共事業体と業者の癒着,汚職の温床となり,厳しい批判がなされている。国際的にも,1990年の日米構造協議において,アメリカは日本に対して排他的取引慣行の是正として,入札制度の改善とともに公正取引委員会の強化ならびに独占禁止法の厳格な運用などを要求。これに対して政府は,条件つき一般競争入札の導入や,独禁法の違反罰金の引上げ,公取委の組織強化など一定の改善を行ったが,刑法の談合罪の強化などは見送られた。
→関連項目企業犯罪コンプライアンスゼネコン

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大辞林 第三版の解説

だんごう【談合】

( 名 ) スル
〔古くは「だんこう」〕
話し合うこと。話し合い。相談。 「集まって-する」
競争入札の際に、複数の入札参加者が前もって相談し、入札価格や落札者などを協定しておくこと。

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精選版 日本国語大辞典の解説

だん‐ご【談合】

〘名〙 (「だんごう(談合)」の変化した語。「だんこ」とも)
① 相談。
※浮世草子・西鶴織留(1694)四「駕籠の者ばかりを代まいりをさせて、おのれふたりは参らぬ談合(ダンコ)
② 説法。
※浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)三「ありがたきお談合(ダンコ)に泪を流し」

だん‐ごう ‥ガフ【談合】

〘名〙 (古くは「だんこう」)
① 話し合うこと。相談すること。談議。だんご。
※長秋記‐大治五年(1130)四月二九日「院召次二人下給。御障子間可召仕也。依昨日談合也」
※当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉八「もと相知れる人々等が、某銀行を創立せんとて、其商議(ダンガウ)に来りしかば」
※ライバル(1966)〈梶山季之〉三「むろん業者の間では、談合があるわけだが」
[語誌](1)平安時代の仮名文に見られる「かたりあふ」「かたりあはす」に当てられた漢字「談合」を音読することによって成立した、いわゆる和製漢語と考えられる。
(2)江戸時代後期以降は同様の意味を表わすのに「相談」を用いる方が優勢となった。現在では、「談合行為」をもっぱらさすようになっている。

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世界大百科事典内の談合の言及

【競争契約】より

…民間でもみられるが,とくに国・地方公共団体が売買・貸借・請負等の財産に関する契約を結ぶについて,法律は経済性と公正を確保するため一般競争契約を原則としている(会計法29条の3,地方自治法234条)。指名競争契約は随意契約とともに法令が定める場合にかぎってなしうるが,現実には大半の政府契約がこれによっており,契約の履行確保にとって長所が認められる反面,少数の指名業者間の違法な談合を招き経済性と公正を損なうことが多い。入札【浜川 清】。…

【建設業】より

…入札業者を発注者が何社か指名するかオープンにするかの違いであり,会計法では原則として競争入札にするとなっているが,実際には,ほとんどの官公庁工事は指名入札になっている。この指名入札をめぐって業者間に談合が行われていることは,なかば公然たる秘密であり,業界の体質改善,請負契約制度の改善が望まれる。建設業法【竹本 浩】。…

【談合罪】より

…公正な価格を害しまたは不正の利益をうる目的で談合する罪(刑法96条の3‐2項)。刑は2年以下の懲役または250万円以下の罰金。…

※「談合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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