北海道中央部にある市。1966年(昭和41)富良野、山部(やまべ)の2町が合併して市制施行。JR根室(ねむろ)本線が通じ富良野線を分岐。また国道38号、237号が通じ、道北、道南、道東への交通の要衝。1897年(明治30)入植者があり、翌年札幌農学校の付属学田(学校所有の小作地)が設けられ多数の小作人が入植した。富良野盆地の盆地床のうち、空知(そらち)川右岸は水田地帯、左岸は夕張(ゆうばり)山地山麓(ろく)に広がる扇状地群で、東部山麓台地の麓郷(ろくごう)、老節布(ろうせっぷ)、西達布(にしたっぷ)などとともにタマネギ、ニンジン、アスパラガス、ブドウなど多彩な畑作物や畜産物が生産され、これらを加工・販売する市営のワイン工場や、ワインハウス、チーズ工房などもある。市街西方の北の峰にはワールドカップ開催地である国際的な富良野スキー場があり、北東部に連なる富良野岳など十勝岳火山群(とかちだけかざんぐん)の山々は大雪山(たいせつざん)国立公園の一部。東部には広大な東京大学北海道演習林があって、山部にはその事務所と樹木園がある。南東部の樹海峠は演習林の大部分を眺望できる景勝地で、これらと西部の芦別(あしべつ)岳一帯は富良野芦別道立自然公園に指定されている。面積600.71平方キロメートル、人口2万1131(2020)。
[岡本次郎]
『『富良野市史』第3巻(1994・富良野市)』
北海道中央部にある市。1966年富良野町と山部町が合体,市制。人口2万4259(2010)。市域北東部には噴気を上げる十勝火山群がそびえ,地名はアイヌ語の〈フラ・ヌ・イ(臭気・もつ・もの・[川])〉に由来する。富良野盆地に位置し,東部には十勝岳山麓のゆるやかな波状台地が広がる。市街地は空知川と支流富良野川の合流点付近にあり,JR根室本線と富良野線の分岐点で,国道38号,237号線が通じる。1897年に初めて入植者があり,翌98年札幌農学校(現,北海道大学)付属の水田,99年に南東部山地に東京大学演習林が開かれ,1900年には旭川からの鉄道(現,富良野線)が開通し,急速に開拓が進んだ。主産業は農業で,米作を中心に山麓傾斜地や台地でタマネギ,アスパラガスなどの野菜やブドウの栽培が行われ,市営のワイン工場がある。
富良野岳など十勝火山群は大雪山国立公園に,西境の芦別岳一帯は富良野芦別道立自然公園に含まれ,市街地近くには富良野スキー場がある。
執筆者:奥平 忠志
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