精選版 日本国語大辞典「潤沢」の解説
じゅん‐たく【潤沢】
〘名〙
① うるおうこと。うるおすこと。にんだく。
② 情のあること。なさけをかけること。また、なさけ。恵み。
③ (形動) 物がたくさんあること。豊富であること。また、そのさま。さわ。じゅうぶん。
※応永本論語抄(1420)顔淵第一二「食は民の本也。故食物の潤沢なるやうにすべし」
※最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉三五「夜店の商品は潤沢(ジュンタク)せざるを得ず」
④ つやを添えること。また、つや。
※史記抄(1477)一八「玉が山にあれば、其山の木に潤沢があるぞ」
※草枕(1906)〈夏目漱石〉八「寒く潤沢を帯びたる肌の上に」
⑤ もうけること。利益。〔布令必用新撰字引(1869)〕
にん‐だく【潤沢】
〘名〙 (「にん」は「潤」の呉音「にゅん」から) うるおうこと。しめり。じゅんたく。〔伊呂波字類抄(鎌倉)〕
※地蔵菩薩霊験記(16C後)一「天の甘露を生しめ以て鬼類の渇乏を潤沢(ニンタク)す」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報