富里(市)(読み)とみさと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「富里(市)」の意味・わかりやすい解説

富里(市)
とみさと

千葉県中部、下総(しもうさ)台地上にある市。1889年(明治22)七栄(ななえ)、十倉(とくら)など13か村が合併して富里村が成立。1985年(昭和60)町制施行。2002年(平成14)市制施行。地名は13(十三(とみ))の村が合併したことに由来し、好字の富里をあてた。国道296号、409号が交差し、市域北端を東関東自動車道が走り、富里インターチェンジも設けられた。江戸時代、佐倉藩の支配下にあり、幕府直轄の放牧地である佐倉七牧のうちの内野(うちの)牧、高野(こうや)牧が置かれた。明治維新後、職を失った下級武士や奉公人らを救うために開墾が奨励されたが、定着した者は少なかった。十倉の両国(りょうごく)地区に1875年(明治8)大久保利通(としみち)が開設した日本初の牧羊場である富里牧羊場跡があり、県史跡に指定されている。広い台地上での農業は経営規模も大きく、スイカラッカセイや野菜の生産が多い。1978年に新東京国際空港(現、成田国際空港)が開港して以来関連企業が進出し、工業団地、住宅地が開発された。面積53.88平方キロメートル、人口4万9735(2020)。

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