小ソクラテス学派(読み)しょうそくらてすがくは(英語表記)minor Socratics

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小ソクラテス学派」の意味・わかりやすい解説

小ソクラテス学派
しょうそくらてすがくは
minor Socratics

ソクラテスの弟子たちが、師の哲学一面をそれぞれに受け継いでたてた諸学派の総称アンティステネスに始まり禁欲と質素を旨とするキニコス学派、アリスティッポスに始まり快楽を最高善と考えたキレネ学派、さらにエウクレイデスに始まり論理的な問答を得意としたメガラ学派などがある。ソクラテスの哲学は、知を求める対話の道の全体にほかならなかったが、これらの人々はその一部分を、生き方としてあるいは主義として固定化した。後のストア学派やエピクロス学派の源流にもなった。

[田中享英]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小ソクラテス学派」の意味・わかりやすい解説

小ソクラテス学派
しょうソクラテスがくは
small Socratic school

ソクラテスを直接に継いだ諸ソクラテス学派はソクラテスの生活を普遍的な典型として理解し,おのおのの立場から師の根本思想の追求に努めた。しかし彼らの解釈仕方はいずれも一面的であり師の全体像を継承するにいたらなかったので小ソクラテス学派と呼ばれた。アンチステネスの開いたキュニコス派,アリスチッポスのキュレネ派,エウクレイデスのメガラ派,ファイドンのエリス学派がその代表的なものである。

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