岡崎平野(読み)おかざきへいや

  • おかざきへいや〔をかざき〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

西三河平野ともいう。愛知県中部,矢作 (やはぎ) 川下流域の平野。矢作川境川の沖積地,およびその中間にある碧海台地から成る。県北東部美濃三河高原が花崗岩類を主とするために河川堆積物は砂で,沖積地には自然堤防が発達している。碧海台地は,安城ヶ原と呼ばれて明治の初めまで小松の原野であったが,1880年開設の明治用水,その後完成した枝下 (しだれ) 用水によって約 6000haの水田が開発された。その後この地域は,安城農林学校による精農教育,進歩的な産業組合,米作を中心とした多角経営で名をなし,1930年前後に「日本のデンマーク」と宣伝された。現在はイチゴキュウリ,ナス,カーネーションなどの施設園芸が行われ,岡崎市がその中心地。豊田刈谷市および周辺では自動車工業が盛んで,中京工業地帯中核をなす。

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百科事典マイペディアの解説

西三河平野とも。愛知県中部,矢作(やはぎ)川流域の平野。矢作川右岸は洪積台地の安城ヶ原で,明治用水によって灌漑(かんがい)され,日本のデンマークといわれる農業地帯,左岸下流の沖積低地は水田地帯をなす。岡崎,安城,西尾などの商工業都市が発達している。
→関連項目愛知[県]三好[町]

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世界大百科事典 第2版の解説

愛知県のほぼ中央部,三河高原の西から知多半島の間に広がる平野。西三河平野ともいう。中央部に碧海(へきかい)台地と呼ばれる平たんな洪積台地が広く分布し,その東部に矢作(やはぎ)川西部に境川の沖積低地が展開している。碧海台地の北部(東海道本線以北)は矢作川による扇状地淘汰のよい花コウ岩やチャートなどの小礫(しようれき)からなる礫層であるが,南部は三角州により形成され大部分が砂層からなっている。この台地を猿渡川をはじめとする境川の支流が網状に開析している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

愛知県中央部、矢作川(やはぎがわ)、境川流域に展開する平野。一般に西三河平野(にしみかわへいや)とよばれ県下第二の広い平野である。東西20キロメートル、南北36キロメートル、面積約700平方キロメートル。自動車工業のメッカといわれ、都市化が激しく進んでいる。北部と東部は花崗(かこう)岩の三河山地と領家(りょうけ)変成岩の幡豆山地(はずさんち)で囲まれ、西境は境川まで、南部は三河湾となる。平野を構成する主体は、矢作川右岸に広く展開する平坦(へいたん)な更新世(洪積世)の段丘面と沖積平野である。右岸の段丘面は、丘陵性の藤岡面(第三紀)を最上位段とし以下更新世の三好(みよし)面、挙母(ころも)面、碧海(へきかい)面の段丘面で、当平野を構成するのは挙母面と碧海面が主体である。やや開析の進んでいる挙母面は標高80~20メートルで、自動車の都市豊田(とよた)市域を、平坦な碧海面は標高20~5メートルで、安城(あんじょう)市域を中心に衣浦(きぬうら)四市(刈谷(かりや)、知立(ちりゅう)、高浜、碧南(へきなん))を発達させている。沖積平野は矢作川下流平野で岡崎市街部を境に上流は狭く、下流の西尾(にしお)幡豆地区は広大な平野で、天井川の矢作川が乱流時代につくった多くの自然堤防列が分布する。また三河湾岸にはゼロメートル地帯の干拓新田があり、幡豆山地の海に迫る地区には小砂浜があり、海水浴場になっている。矢作川旧本流は矢作古川(ふるかわ)であったが、1605年(慶長10)に碧海台地を開削して流路変更をし、現在の矢作川が本流となった。気候は東海式気候区の典型で、年降水量は1400ミリメートルで県下最寡雨地域である。かつては、日本のデンマークとよばれた穀倉地帯であったが、近年は都市化、工業化が著しく、中京工業地帯の主要部を占めている。

[伊藤郷平]

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世界大百科事典内の岡崎平野の言及

【愛知[県]】より

尾張国三河国
[東西文化の結節点]
 伊勢湾と敦賀湾を結ぶ本州地峡帯の太平洋岸に位置し,古くから東・西日本の両文化圏の交錯地としての性格を強くもち続けてきた。律令制施行以前は濃尾平野の尾張国,岡崎平野の三河国,豊橋平野の穂国の三つに分かれていたが,施行後は稲沢市松下,下津(おりづ)付近に国府を置く尾張国,三河と穂を合わせて豊川市白鳥町に国府を置く三河国が定められ,今日までの地域形成の基盤ができ上がった。中世には,木曾川をはさんでこの地はしばしば東西勢力の接触する場となり,源平の墨俣合戦,承久の乱の木曾川の戦などがおこった。…

※「岡崎平野」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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