出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
和歌山県中部、日高郡みなべ町の一地区。熊野街道(国道42号)に沿い、JR紀勢本線(きのくに線)岩代駅がある。結松(むすびのまつ)の伝説地として知られる。658年(斉明天皇4)謀反の疑いで紀温湯(きのぬるゆ)に送られた有間皇子(ありまのおうじ)は、この地で「磐代(いわしろ)の浜松が枝を引き結び真幸(まさき)くあらばまた還(かえ)り見む」(『万葉集』)と詠んだ。「結び松」や記念碑がある。また、岩代大梅林には約2万本のウメが植栽されている。
[小池洋一]
福島県中通り北部、安達郡(あだちぐん)にあった旧町名(岩代町(まち))。現在は二本松市の南東部を占める地域。旧岩代町は、1955年(昭和30)小浜(おばま)町と新殿(にいどの)、旭(あさひ)の2村が合併して成立。2005年(平成17)安達(あだち)、東和(とうわ)の2町とともに二本松市と合併。岩代の名称は旧国名による。国道349号、459号が通じ、JR東北本線二本松駅からバス便がある。阿武隈(あぶくま)川の支流口太(くちぶと)川、移(うつし)川、小浜川などの流域に位置し、西部は阿武隈高地西縁の山麓(さんろく)面上にある。かつては養蚕が盛んであったが、現在では米作が中心となっている。地域の中心の小浜は浜通りと二本松を結ぶ交通の要地で、かつては生糸市(いち)が開かれた。
小浜長折(ながおり)の三匹獅子舞(ししまい)は県の無形民俗文化財。杉沢の大スギは国の天然記念物に指定されている。
[安田初雄]
『『岩代町史』全4巻(1982~1989・岩代町)』
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