岩間寺(読み)イワマデラ

デジタル大辞泉 「岩間寺」の意味・読み・例文・類語

いわま‐でら〔いはま‐〕【岩間寺】

滋賀県大津市にある真言宗醍醐派の正法寺通称山号岩間山。養老年間(717~724)に泰澄たいちょう創建西国三十三所第12番札所。本尊千手観音

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精選版 日本国語大辞典 「岩間寺」の意味・読み・例文・類語

いわま‐でらいはま‥【岩間寺】

  1. 滋賀県大津市にある真言宗醍醐派の寺、正法寺(しょうぼうじ)の通称。

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日本歴史地名大系 「岩間寺」の解説

岩間寺
いわまでら

[現在地名]大津市石山内畑町

岩間山南腹、内畑うちはた集落の北にある。真言宗醍醐派。岩間寺は通称で、正式には岩間山正法しようぼう寺と号する。文献上は石間とも。西国三十三所観音霊場の一二番札所。「続古事談」によれば、越ノ小大徳と称された泰澄が加賀白山を開いたあと、岩間山に来て桂の木で千手観音像を彫り、胎内に念持仏の金銅千手観音像を納めて本尊とし、一寺を建立したのが始まりという。寺伝では養老六年(七二二)元正天皇の勅命行脚の途中、岩間山で桂の大樹より千手観音が現れるという奇瑞があり、千手観音・吉祥天・婆蘇仙の尊像を刻んで安置、当寺を創建したと伝える。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岩間寺」の意味・わかりやすい解説

岩間寺
いわまでら

滋賀県大津市石山内畑(いしやまうちはた)町にある真言宗醍醐(だいご)派の寺。岩間山正法寺(しょうぼうじ)と号し、通称を岩間寺という。西国三十三所第12番札所。寺伝によると、722年(養老6)元正(げんしょう)天皇の病気平癒を祈願した泰澄(たいちょう)が、勅によって七堂伽藍(がらん)を建立したのが創建という。往時は熊野(くまの)、吉野に次ぎ第三の霊場として尊崇された。本尊の千手観音(せんじゅかんのん)像は「雷除(よ)け観音」「汗かき観音」といわれる。由来によると、落雷による伽藍焼失が相次ぎ、その罪を責められた雷神が、「仏門に入りたく寺を訪ね、雷火のために迷惑をかけたが、今後はこの寺への参詣(さんけい)者に雷除けをする」といって岩を爪(つめ)でかいて水を出したのによるという。地蔵菩薩(じぞうぼさつ)像、不動明王像、矜迦羅(こんがら)・制吒迦(せいたか)童子像は国の重要文化財。芭蕉(ばしょう)はこの奥にあった幻住庵(げんじゅうあん)に滞在「先(まづ)たのむ椎(しひ)の木も有夏木立」の句を詠んだ。

[中山清田]


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