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岳飛 がくひYue Fei; Yüeh Fei

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

岳飛
がくひ
Yue Fei; Yüeh Fei

[生]崇寧2(1103)
[没]紹興11(1141).12. 浙江,杭州
中国,南宋の武将。相州湯陰 (河南省湯陰県) の人。字は鵬挙。諡は武穆。韓魏公 (→韓 琦 ) の佃戸の家に生れる。北宋末,金軍南下のとき,宗沢に従って戦功を立て,南宋に入り,紹興1 (1131) 年張浚とともに江淮を平らげ,同3年高宗から「精忠岳飛」と手書した旗を賜わった。同7年太尉を拝し,同 10,11年大挙南下の金軍を破り,枢密副使となったが諸将にねたまれ,その主戦論は秦檜 (しんかい) と相いれず,同 11年秦檜にはかられ,獄で殺された。のち救国の英雄として岳王廟にまつられ,現在も参拝者が絶えない。

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デジタル大辞泉の解説

がく‐ひ【岳飛】

[1103~1141]中国、南宋の武将。湯陰(河南省)の人。字(あざな)は鵬挙(ほうきょ)。北宋末に義勇軍に入り、軍功をあげ、湖北の地で軍閥巨頭となった。金軍との戦争を主張し、和議派の宰相秦檜(しんかい)に罪を着せられて獄死後世、民族的英雄として岳王廟にまつられた。書家としてもすぐれていた。

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百科事典マイペディアの解説

岳飛【がくひ】

中国,南宋初期の武将。農民の子に生まれ,軍に投じて武功を立て,軍閥の首領となる。金国の圧迫に対して抗戦を主張,和平派の宰相秦檜(しんかい)に反対して投獄され,獄死。
→関連項目関羽文天祥

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世界大百科事典 第2版の解説

がくひ【岳飛 Yuè Fēi】

1103‐41
中国,南宋初期の武将。字は鵬挙。湯陰(河南省湯陰県)の農家に生まれ,20歳で義勇軍に参加し,戦功を重ねて,27歳の時には独立して〈岳家軍〉を率いた。1134年(紹興4),鄂州(がくしゆう)(武漢)を根拠地とする方面軍の将軍となり,翌年,湖南鍾相・楊么(ようよう)の乱を鎮圧し,36年には襄陽に進駐し湖北・河南の金軍と戦い,南進を阻止した。37年には宣撫使となり,最高軍事指導者の一人となった。彼の軍隊は厳しい規律と盛んな戦闘力で知られた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

岳飛
がくひ
(1103―1142)

中国、南宋(なんそう)建国期の武将。字(あざな)は鵬挙(ほうきょ)。相州湯陰(とういん)(河南省)の人。貧しい農家に生まれる。北宋末、金(きん)軍の侵入に対して各地に義勇軍がおこったが、岳飛は1122年にこれに応募し、たび重なる金との戦いや国内の農民反乱の平定に軍功をあげて、34年に節度使(せつどし)に任ぜられ、異例の出世を遂げた。36年、襄陽(じょうよう)(湖北省)に在駐してのち、宣撫使(せんぶし)に昇格すると、本格的に管内の軍事、行政、財政の三権を掌握して、南宋政府に対抗できるほどの一大軍閥に成長した。岳飛、韓世忠(かんせいちゅう)ら軍閥諸勢力は金との抗戦を主張したが、41年、和平論を主導する宰相秦檜(しんかい)は、軍閥間の対立を利用して、その実権を奪い、文官による中央集権政治の回復を図った。とくに諸将軍中もっとも強硬であった岳飛は、謀反を口実に獄死させられた。しかし死後、その無実はそそがれた。岳飛は当時の武将には珍しく学問があり、また書家としても一流であった。後世、岳飛廟(びょう)に祀(まつ)られ救国の英雄として親しまれている。[伊藤宏明]
『外山軍治著『岳飛と秦檜』(1939・冨山房)』

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世界大百科事典内の岳飛の言及

【朱仙鎮】より

…朱仙鎮の名は11世紀半ばにみられ,戦国時代の人朱亥の居仙人荘に由来する。1140年(紹興10)金と戦った岳飛が,旧都開封を指呼に望むここから軍を返したことで有名だが,実際は岳飛ははるか南の偃城(えんじよう)から撤退している。元代賈魯河(かろが)の水運の利用とともに商業集落として著しく発達し,清代中期には,漢口,仏山,景徳と並ぶ中国四大鎮の一つとなった。…

※「岳飛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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