韓琦(読み)カンキ(英語表記)Hán Qí

デジタル大辞泉 「韓琦」の意味・読み・例文・類語

かん‐き【韓琦】

[1008~1075]中国北宋ほくそう政治家安陽河南省)の人。あざなは稚圭。仁宗英宗神宗の3代に仕え、范仲淹はんちゅうえんとともに韓范と並称された。王安石新法に反対したことで名高い。著「安陽集」「韓魏公集」など。

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精選版 日本国語大辞典 「韓琦」の意味・読み・例文・類語

かん‐き【韓&JISECA4;】

  1. 中国、北宋の政治家。安陽(河南省)の人。字(あざな)は稚圭。仁宗、英宗、神宗に仕え、英宗のとき、魏国公に封ぜられ、范仲淹(はんちゅうえん)とともに、西夏侵略の防衛に功をあげ、韓范と称された。神宗のとき、王安石の新法に反対したが、容れられず、病没。(一〇〇八‐七五

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改訂新版 世界大百科事典 「韓琦」の意味・わかりやすい解説

韓琦 (かんき)
Hán Qí
生没年:1008-75

中国,北宋の宰相。字は稚圭(ちけい),号は贛叟(こうそう)。相州安陽(河南省安陽市)の人。20歳で科挙に合格,若手官僚として,行政手腕を発揮し,無能な大臣を弾劾するなど活躍した。四川飢饉救済に責任者となって成功し,1038年(宝元1)西夏の李(趙)元昊が宋朝反旗を翻して独立すると,前線の司令官となり,涇州(甘新省涇川県)に駐屯して防衛に従事した。当時,〈韓范〉と並称されたのは,范仲淹とともに対西夏軍事政策をはじめ,多くの功績によるものであった。56年(嘉祐1)三司使(蔵相)になり,枢密使に転じたあと,58年宰相に就任,以後,仁宗・英宗・神宗の3代にわたって名宰相として重んぜられた。神宗のはじめ,弾劾によって宰相を辞めたが,王安石が新法を実施すると青苗法を非難し,王安石もこれに詳細に応答した。しかし新法派の王安石時代に韓琦の意見はいれられず,やがて病没した。諡(おくりな)は忠献。子孫は繁栄し,高官を輩出した。宋代屈指の名家の一つ。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「韓琦」の意味・わかりやすい解説

韓琦
かんき
(1008―1075)

中国、北宋(ほくそう)の政治家。安陽(河南省)の人。若くして進士に及第政界の紀綱を正し、邪臣の弾劾に活躍、また体量安撫使(あんぶし)として四川(しせん)の飢民190万を救済した。西夏(せいか)の李元昊(りげんこう)の入寇(にゅうこう)を撃退し、30歳ですでに文武に名声が高かった。自ら求めて揚州(ようしゅう)知事などの地方官を歴任したが、1056年には三司使(さんしし)、枢密使、58年には宰相となり、約10年間にわたり国政に参画。その間国史の監修も行った。第6代神宗(しんそう)(在位1067~85)即位後、王陶(おうとう)の弾劾を受けてふたたび地方官となり、青苗(せいびょう)法や、また契丹(きったん)の求める領土割譲にも反対して王安石(おうあんせき)とまっこうから対立し、官を辞して没した。富弼(ふひつ)と並んで賢相と称された。著書に『安陽集』がある。

[柳田節子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「韓琦」の意味・わかりやすい解説

韓琦
かんき
Han Qi; Han Ch`i

[生]大中祥符1(1008)
[没]煕寧8(1075)
中国,北宋の政治家,文学者。相州安陽 (河南省) の人。字は稚圭。諡は忠献。天聖4 (1026) 年進士に及第。四川の飢饉を救い,西夏の侵入を食止めるなど,内外に功績をあげて宰相となり (58) ,仁宗,英宗に仕えた。神宗が即位すると地方へ出,王安石の新法に強く反対したが受入れられず,やがて没した。欧陽修と並んで仁宗後期の重臣として政治に貢献したが,詩人としても,晩唐の模倣から脱却した新しい作風の詩を残した。著書『安陽集』 (50巻) ,『韓魏公集』 (20巻) 。

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旺文社世界史事典 三訂版 「韓琦」の解説

韓 琦
かんき

1008〜75
北宋の政治家
河南省の豪族の出身。仁宗・英宗・神宗の3代に仕え,西夏・遼 (りよう) に対して強硬策を主張し,范仲淹 (はんちゆうえん) とともに陝西 (せんせい) 方面で西夏と戦って功績をあげた。のち枢密使・中書門下平章事の重職にのぼったが,王安石の新法に反対し,晩年は不遇であった。

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