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常滑焼 とこなめやき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

常滑焼
とこなめやき

愛知県常滑市付近で焼かれる陶磁器。「とこなべやき」ともいう。常滑市周辺の古窯址群からは平安・鎌倉時代,皿,壺などが出土する。初期作は自然釉もしくは無釉で器胎が締っていない。高火度で焼締められた 炻器質の作品は桃山時代頃から作られた。釉 (うわぐすり) を本格的に用いるようになったのは寛保~宝暦期 (1741~64) 頃で,日常雑器のほか茶器類も生産した。江戸時代中期から明治には,上村白鴎杉江寿門,松下三光,森下杢二郎,伊藤董斎らの名工が出,白泥焼,朱泥焼,黒泥焼,火色焼,火襷 (ひだすき) ,南蛮焼などの技法が考案され,茶器,酒器の小品を大量に生産した。現在は土管,タイル・モザイク,衛生陶器,植木鉢,朱泥急須などが多く生産されている。

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デジタル大辞泉の解説

とこなめ‐やき【常滑焼】

常滑市およびその付近から産する陶磁器。平安後期ごろから自然釉(しぜんゆう)のかかった壺・甕(かめ)などが焼かれ、江戸後期には朱泥(しゅでい)などの焼成とともに茶陶器類を産して活況を呈した。今日では日用品・工業用品なども焼いている。とこなべやき。

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百科事典マイペディアの解説

常滑焼【とこなめやき】

愛知県常滑市付近で生産される陶磁器。平安末期,猿投(さなげ)窯南部の灰釉陶窯の南下によって形成された中世最大の窯業地で,常滑市を中心に1200基以上の古窯地が知られる。

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世界大百科事典 第2版の解説

とこなめやき【常滑焼】

愛知県知多半島の中央部,西海岸に面した常滑市域において焼かれた窯業製品。平安末期,猿投(さなげ)窯南部の灰釉陶窯の南下によって形成された中世最大の窯業地で,常滑窯とも知多半島古窯跡群とも呼んでいる。平安末期から鎌倉・室町時代にかけて,常滑市を中心に半島全域にわたって築かれた1200基以上の古窯跡が知られ,実数はそれに倍するといわれている。製品は無釉の碗,皿,鉢,瓶,壺,甕,瓦,仏器などで,地下に掘られた大型の窖窯(あながま)で焼かれている。

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大辞林 第三版の解説

とこなめやき【常滑焼】

愛知県常滑市に産する陶器。平安・鎌倉頃に始まるといわれ、初め自然釉しぜんゆう焼き締めの壺などを焼いたが、のち土管で有名になった。また、朱泥の陶器でも知られる。とこなべやき。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

常滑焼
とこなめやき

愛知県知多半島の陶芸の総称。慣用として「とこなべやき」ともいう。常滑焼は初め平安時代の名窯・猿投(さなげよう)の支窯として開かれたが、12世紀になって在地の需要層をつかみ、地下に掘った大型の窖窯(あながま)で自然釉(ゆう)のかかった粗雑な甕(かめ)、壺(つぼ)、擂鉢(すりばち)を焼く窯として急成長を遂げた。窯は常滑市、半田市、大府市、東海市、東浦町、武豊(たけとよ)町に広く分布し、現在知られている1200基以上の中世古窯址(し)群はわが国第一の規模を誇るが、推測では中世を通じて約3000基の窯が築かれたとする。その製品は青森県から鹿児島県までほぼ全国を網羅して販売され、その影響下に宮城県の伊豆沼古窯から兵庫県の丹波(たんば)窯まで、多くの窯が誕生している。
 室町時代になると備前(びぜん)焼(岡山県)の勢いに押されて指導力が衰え、桃山時代の陶芸の全国的な隆盛期にあってもさしたる展開は示さなかったが、江戸初頭に窯は半地下式大窯(鉄砲窯)に変わって常滑市域に集中していき、江戸後期には連房式登窯(のぼりがま)も導入されて、この地で真焼(まやき)、赤物、朱泥(しゅでい)、瓦(かわら)などが生産された。真焼は登窯で焼かれる素焼の焼締め陶、赤物とは大窯で焼く低火度の素焼土器である。朱泥は鉄分の多い良質の粘土で、これを用いた文人趣味の急須(きゅうす)や煎茶(せんちゃ)茶碗をはじめ各種の什器(じゅうき)は、近世・近代の常滑陶の特産品となった。今日ではこれら各種の製品に加え、陶管、タイル、衛生陶器などの産出も多い。[矢部良明]
『立原正秋・林屋晴三監修『探訪日本の陶芸10 常滑他』(1980・小学館)』

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事典 日本の地域ブランド・名産品の解説

常滑焼[陶磁]
とこなめやき

東海地方、愛知県の地域ブランド。
愛知県常滑市・大府市・東海市・知多市・半田市・東浦町・知多郡阿久比町・知多郡武豊町・知多郡美浜町・知多郡南知多町で成形及び焼成した陶磁製の浴槽・手洗い鉢・火鉢・照明器具・茶器・食器・花器・置物・香炉・植木鉢・甕・漬物甕・焼酎サーバー・風鈴・すりばち・ようじ入れ・ろうそく立て・貯金箱・傘立て。常滑焼の起源は平安末期で、1000年を越える歴史を持つ日本六古窯の一つ。平安時代には、大瓶・大壺などの日用雑貨、桃山時代には茶道具がつくられた。江戸時代には、この地で産出する鉄分の多い陶土の性質をいかした朱泥焼や白泥焼・火色焼がつくられ今日の基礎が築かれた。現在もなお、長年駆使された技術が受け継がれている。1976(昭和51)年6月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。2007(平成19)年1月、特許庁の地域団体商標に登録された。商標登録番号は第5018657号。地域団体商標の権利者は、とこなめ焼協同組合。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

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