年金積立金管理運用独立行政法人(読み)ネンキンツミタテキンカンリウンヨウドクリツギョウセイホウジン

デジタル大辞泉 の解説

ねんきんつみたてきんかんりうんよう‐どくりつぎょうせいほうじん〔ネンキンつみたてキンクワンリウンヨウドクリツギヤウセイハフジン〕【年金積立金管理運用独立行政法人】

厚生年金国民年金の管理運用業務を行う独立行政法人厚生労働省所管前身年金資金運用基金を改組し、平成18年(2006)に設立年金積立金の運用方針の策定などを行い、実際の運用業務は信託銀行投資顧問会社に委託する。資金は国内外の債券株式に配分し、ポートフォリオ運用を行う。GPIF(Government Pension Investment Fund)。
[補説]平成20年度(2008)に過去最大となる9兆6670億円の運用損を計上。前身の年金資金運用基金が運営していた保養施設グリーンピアは、経営不振により多額の損失を出し、平成17年(2005)までに全国13施設がすべて廃止・譲渡されている。

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共同通信ニュース用語解説 の解説

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)

国民年金や厚生年金の保険料収入の余剰分を積立金として管理し、市場に投資して運用する。厚生労働省の所管で2006年に設立された。前身は年金資金運用基金。債券や株式などにどうお金を振り分けるかという資産構成割合は、外部の専門家らで組織する運用委員会で協議して理事長が決める。政府は理事長に権限が集中する体制を改め、資産構成割合などの重要事項は合議制で決めることなどを盛り込んだ年金関連法案を先の通常国会に提出したが、継続審議となっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

年金積立金管理運用独立行政法人
ねんきんつみたてきんかんりうんようどくりつぎょうせいほうじん

2004年(平成16)に制定された年金積立金管理運用独立行政法人法により、2006年4月に設立された法人。英語名称はGovernment Pension Investment Fundで、略称GPIF。2001年12月に閣議決定された特殊法人等整理合理化計画において、年金資金運用基金の組織形態について、廃止を含め組織形態のあり方を検討し、決定することとされた。それを受けて、専門性を徹底し、責任体制の明確化を図る観点から、年金資金運用基金を廃止し、新たに年金積立金管理運用独立行政法人が設立された。

 法人は、厚生労働大臣から寄託された厚生年金と国民年金の年金積立金の管理運用を行い、運用収益を年金特別会計に納付することにより、年金事業の運営の安定に資することを目的としている。2016年の改正により、国民にいっそう信頼される組織体制の確立を図るため、従来の理事長による独任制にかえて、合議制の経営委員会を設け、基本ポートフォリオ(長期的な観点から安全かつ効率的な運用を行うため、各資産を組み合わせた資産構成割合)等の重要な意思決定や執行機関の業務遂行に対する監督を行うなどのガバナンス(組織統治)改革を実施する。また、年金積立金の安全・効率的な運用のため、リスク管理方法の多様化や短期資金の運用方法を追加する、などの措置を講じた。資本金1億円(全額政府出資)、職員数159人(2023年1月1日時点)。

[山崎泰彦 2023年6月19日]

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知恵蔵 の解説

年金積立金管理運用独立行政法人

「GPIF」のページをご覧ください。

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