強膜におこる炎症で、病変の深さによって上強膜炎と強膜炎に分けられる。上強膜炎は浅層の炎症で充血は赤く、しばしばこぶ状の隆起をつくる。強膜炎は深層の充血のため紫紅色で、個々の血管が区別しがたく、またブドウ膜炎を合併することが多い。二つの病型が同時におこっていることも少なくない。再発の傾向があり、そのたびに病変の場所が変わることがよくある。病変部を眼瞼(がんけん)(まぶた)の上から触れると圧痛がある。炎症が強いときは、治ったあとの強膜が薄くなり、黒いブドウ膜の色調が透けてみえ、眼内圧のためにこの部分が隆起して拡張することがある。また悪性の場合、強膜が壊死(えし)に陥って潰瘍(かいよう)となり、穿孔(せんこう)することもある。
原因的には内因性の発病がほとんどで、リウマチや膠原(こうげん)病などによる。かつては結核や梅毒によるものがよくみられた。治療には副腎(ふくじん)皮質ステロイドホルモンの全身または局所投与が効くことがあるが、原因疾患の治療がたいせつである。
[内田幸男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…また強度近視でも,眼軸が伸ばされ,長円の眼球となって強膜は伸び,薄くなる。 強膜炎scleritisおよび強膜上の結合組織に起こる上強膜炎episcleritisは,強い充血とともに,疼痛,羞明(しゆうめい)(まぶしがること),流涙,異物感を伴う。結核,リウマチに関連するものも多いが,原因がわからないことも多い。…
※「強膜炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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