虹彩炎(読み)コウサイエン

デジタル大辞泉 「虹彩炎」の意味・読み・例文・類語

こうさい‐えん【虹彩炎】

虹彩炎症。目がかすんだり、白目が充血して痛んだり、涙が多く出たり、光をまぶしく感じたりする症状がみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「虹彩炎」の意味・読み・例文・類語

こうさい‐えん【虹彩炎】

  1. 〘 名詞 〙 眼球の最前部にある円盤状の膜の炎症。黒目のまわりが赤く充血し、まぶしくて涙が出、異物感、疼痛がある。結核リウマチ外傷、後天性梅毒などが原因。〔医語類聚(1872)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「虹彩炎」の意味・わかりやすい解説

虹彩炎
こうさいえん

虹彩の炎症で、軽い視力の低下、羞明(しゅうめい)(まぶしさ)、流涙、充血、疼痛(とうつう)などを訴え、他覚的には角膜周囲充血、縮瞳(しゅくどう)、房水(ぼうすい)の混濁、角膜後面沈着物などを認める。強い炎症では虹彩が水晶体に癒着して、虹彩後(こう)癒着となる。種々の内因や外因によっておこるが、詳細は「虹彩毛様体炎」の項を参照されたい。原因療法のほか、癒着を予防し、虹彩の安静を保つために散瞳薬を点眼し、消炎にはステロイド剤を点眼する。点眼回数は炎症の程度、性質によって適宜加減する。また遮光眼鏡を用いる。

[小暮美津子]

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百科事典マイペディア 「虹彩炎」の意味・わかりやすい解説

虹彩炎【こうさいえん】

毛様体炎と合併することが多く,その場合は虹彩毛様体炎と呼ばれる。流涙,まぶしさ,痛み,異物感などがあり,毛様充血,前眼房硝子体混濁瞳孔(どうこう)縮小などの症状を呈し,視力障害をきたす。原因としては,外傷,結核や梅毒などの感染症,慢性リウマチなどの膠原(こうげん)病,糖尿病,薬物中毒アレルギーなどがある。角膜炎,脈絡膜炎,続発性緑内障などを続発することがある。治療は原因療法のほか,副腎皮質ホルモン投与,アトロピン点眼など。
→関連項目アトロピン白内障

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「虹彩炎」の意味・わかりやすい解説

虹彩炎
こうさいえん
iritis

虹彩の炎症。単独で起るよりも,隣接組織である毛様体の炎症を伴うことが多い。涙の量がふえたり充血したり,眼にごみが入ったような感じ (異物感) が続いて気がつくことが多い。眼科的には,虹彩の充血のほか,前眼房水の濁り,角膜周囲の毛様体充血,瞳孔の左右ふぞろいなどの異常が起る。外傷の後遺症として起るほか,結核,梅毒などの全身病やアレルギーに起因することがある。原因不明のものも多い。原因療法のほか,アトロピンの点眼を行い,原因によっては,副腎皮質ホルモン剤の点眼あるいは内服を行う。虹彩の循環を促進し,吸収を促す目的で温罨法を用いることもある。

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改訂新版 世界大百科事典 「虹彩炎」の意味・わかりやすい解説

虹彩炎 (こうさいえん)

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世界大百科事典(旧版)内の虹彩炎の言及

【ぶどう膜(葡萄膜)】より


[ぶどう膜の病気]
 ぶどう膜は炎症を起こしやすい組織である。ぶどう膜炎uveitisは,炎症の中心あるいは強い部位に従って,脈絡膜炎choroiditis,虹彩炎iritis,毛様体炎cyclitisなどに分けられる。また炎症の過程により,外因性のものと内因性のものとに分けられる。…

※「虹彩炎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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