デジタル大辞泉 「弾む」の意味・読み・例文・類語 はず・む〔はづむ〕【弾む/▽勢む】 [動マ五(四)]1㋐弾力のある物が何かに当たって、反動の力で逆方向に勢いよくはねかえる。はねあがる。「このボールはよく―・む」㋑勢いに乗って調子づく。活気を帯びる。「―・んだ声で話をする」「希望に心が―・む」㋒呼吸が激しくなる。荒くなる。「息を―・ませて駆ける」2 気前よく金品を余計に出す。奮発する。「チップを―・む」[補説]歴史的仮名遣いは「はずむ」ともされたが、文明本節用集・日葡辞書など、室町期文献に「はづむ」とあるのに従う。[類語]はじける・飛び散る・跳ねる・はぜる・ほとばしる・飛ぶ 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「弾む」の意味・読み・例文・類語 はず・むはづむ【弾・勢】 ( 歴史的かなづかいは「はずむ」ともされるが、室町時代までの諸辞書により「はづむ」とする説に従う )[ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙① 勢いよくはね返る。反動で元に返る。はね上がる。[初出の実例]「馬の足のおよばうほどは、手綱をくれてあゆませよ。はづまばかいくっておよがせよ」(出典:平家物語(13C前)四)「『これは板毬(いたまり)かヱ』『いいへ、畳の上でよをくはづむよ』」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三)② せきこむ。せわしくなる。息などが荒くなる。[初出の実例]「イキガ fazzumu(ハヅム)」(出典:日葡辞書(1603‐04))③ 調子よく進む。調子づく。勢いにのる。[初出の実例]「急にはづんで云たが、きこへたぞ」(出典:史記抄(1477)六)④ 言語・動作などに活気がある。いきいきとする。うきうきする。[初出の実例]「目、かいだれめにて、面体、はづまねども」(出典:評判記・満散利久佐(1656)竹山)⑤ 思いきってする。[初出の実例]「そなたの此比髪切て遣りやった先のぬく助は、何ぞはづんだ事したか」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)二)⑥ 邦楽で、等長リズムを破った不規則なリズム、すなわち、付点音符と短い音符との組み合わせによるリズムのように演奏することをいう。[ 2 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙 金や品物などを気前よく与える。奮発する。奢(おご)る。[初出の実例]「亭主に一包はづむ」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)八)「定めて祝儀もはずむのだらうに」(出典:百物語(1911)〈森鴎外〉) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例