従類(読み)ジュウルイ

デジタル大辞泉 「従類」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐るい【従類】

一族家来総称眷属けんぞく
「―どもの家など一々に焼き払ひつ」〈今昔・二五・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「従類」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐るい【従類】

  1. 〘 名詞 〙 従属する家来や一族の人々の総称。
    1. [初出の実例]「入夜仲宗妻姉妹二人従類等、無音上洛」(出典:後二条師通記‐康和元年(1099)五月一八日)

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改訂新版 世界大百科事典 「従類」の意味・わかりやすい解説

従類 (じゅうるい)

従者関係の呼称の一つ。905年(延喜5)の官符を初見とし,とくに平安時代の史料に広くみえる。主人に従って乱行や徴収などの武力をともなう仕事をしている事例が多いが,〈子息等及従類〉などとあるように,一般に主人との関係は緊密で,主人はその給養恩賞の獲得に努め,主人の犯罪には連座させられている。従類の性格をもっともよく示すものは《将門記》にみえる平将門や良兼の従類で,しばしば〈伴類〉と対比される。すなわち合戦の場において,伴類が数は多いが戦局が不利になると逃げ散るという頼りなさを示すのに対し,従類は最後まで主人と運命を共にし,伴類が夫兵であるのに対して,従類は兵(つわもの)である主人の騎兵隊の主要な構成要素とみられる。居住空間で図式的にみると,伴類の舎宅が広く郡内に散在していたのに対し,領主の宅の周辺にある〈与力(よりき)の人々の小宅〉が従類のものであろう。こうしたところから,伴類が自己の家計をもって一応自立する一般公民的な存在であったのに対し,従類は子弟とともに主人の家父長権に属する者と解される。主人の社会的地位の高下と〈観念広狭によって従類の社会的身分は異なるが,子弟と並んで広義の家の一員とみなされた従者,と解するのが適切であろう。なお従類を,主人と農業経営を通じて結ばれる面と,生産とは結びつかない傭兵的な側面とにわけ,それぞれに封建制形成史上に位置づけようとする有力な見解もあるが,この後者はむしろ伴類に関するものとみるのが妥当であろう。
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世界大百科事典(旧版)内の従類の言及

【郎従】より

…平安時代以後,武者や国司に仕えた従僕の総称。郎等と同意語に使われることが多いが,郎等は従類と対で〈郎等・従類〉のごとく使われ,従類より地位の高い従僕の意であるが,郎従の場合は郎等・従類を含んで使われる場合の方が多い。郎等・従類の等・類は接尾語で,基本は郎・従にあることを考えると,郎従はまさに郎と従をひっくるめて表現したものと考えられる。…

【郎等】より

…〈ろうどう〉とも呼び,郎党とも書く。従者のうちでも地位の高い者を郎等といい,低い者は従類といった。郎等のうち主人一家に擬せられたのが家子(いえのこ)であり,家子,郎等,従類などをあわせて郎従という。…

※「従類」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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