御する(読み)ギョスル

デジタル大辞泉 「御する」の意味・読み・例文・類語

ぎょ・する【御する】

[動サ変][文]ぎょ・す[サ変]
(「馭する」とも書く)馬や馬車を巧みに扱う。「暴れ馬を―・する」
他人自分の思い通りに動かす。「部下を巧みに―・する」
統治する。
政府は暫く此愚民を―・するに一時術策を用い」〈福沢学問のすゝめ
天皇などがお出ましになる。
紫宸ししんに―・して徳は馬のつめの極まる所におよび」〈・序〉
[類語]手なずける操る丸め込むたらし込む手玉に取る懐柔する籠絡する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御する」の意味・読み・例文・類語

ぎょ‐・する【御・馭】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ぎょ・す 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. 天皇などがおでましになる。出御する。
      1. [初出の実例]「紫宸に御して徳は馬の蹄(つめ)の極まる所に被(かがふ)らしめ」(出典古事記(712))
    2. 貴人のそば近く仕える。侍(はべ)る。
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]ぎょ・す 〘 他動詞 サ行変 〙
    1. ( 「馭」とも書く ) 馬や乗物などをあやつる。
      1. [初出の実例]「御はかならずかしつく詞歟。車を御(キ)すなと云ふ如何」(出典:塵袋(1264‐88頃)一〇)
    2. ( 「馭」とも書く ) 他を意のままにする。統治する。
      1. [初出の実例]「衆を御する道を俊の大夫に告と云心ぞ」(出典:古活字本毛詩抄(17C前)三)
    3. 天皇などがご使用になる。
      1. [初出の実例]「衣服を身にきるをも、御すると云ぞ。飲食の口に入るをも、御と云ぞ」(出典:史記抄(1477)五)
    4. 寝所にはべらせる。
      1. [初出の実例]「妃妾の接於寝とて、御手のかかるをも御すると云ぞ」(出典:史記抄(1477)五)

お【御】 …する

  1. ( 間に動詞連用形を入れて用いる ) 自分の側の動作に用いて、その動作の及ぶ相手を敬い、謙譲気持を表わす。
    1. [初出の実例]「若旦那から金のしまつ、委しくお侘(わび)してもらへば」(出典:人情本・明烏後正夢(1821‐24)初)
    2. 「難有(ありがた)く御受せしに」(出典:不言不語(1895)〈尾崎紅葉〉四)

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