出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
三重県北部、鈴鹿山脈(すずかさんみゃく)中の主要峰の一つ。標高1212メートル。御在所岳ともいう。近畿日本鉄道湯の山線湯の山温泉駅からバスで御在所ロープウエイ湯の山温泉駅まで10分、2.161キロメートルの長さを誇るロープウェーで山上公園駅まで12分、簡単に山頂に達することができる。山頂付近は平坦(へいたん)な隆起原面が残り、シャクナゲ群落などのある草原が山上公園となっている。伊勢(いせ)湾、琵琶(びわ)湖、アルプス連峰、富士山までを望む展望台、バンガローなどがあり、冬はスキー場となる。山頂周辺は花崗(かこう)岩の絶壁が連なり、北斜面にある藤内壁(とうないへき)は日本三大岩場の一つとして知られ、全国からロッククライマーが集まる。鈴鹿国定公園に属す。
[伊藤達雄]
三重県と滋賀県の境をなす鈴鹿山脈の主峰で,標高1212m。御在所岳と呼ばれることが多い。東の伊勢平野に向かって急斜面をなしているが,山頂付近には平たん面が広く残っている。これは鮮新世初めに形成された準平原の遺物が,その後の急激な地盤運動によって南北方向の山地となって隆起したものである。花コウ岩からなる山体の各所には露岩がみられ,北斜面の藤内壁(とうないへき)などの岩場はロッククライミングの訓練に利用される。冬季には山上で樹氷がみられ,緩斜面はスキー場となる。ニホンカモシカ,モリアオガエルなどが生息し,ヒメシャクナゲなどの植物も豊富で,鈴鹿国定公園の中心となっている。三重県側山麓の湯の山温泉から山頂へロープウェーが通じ,容易に登山できる。
執筆者:水山 高幸
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