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心臓腫瘍 しんぞうしゅようCardiac Tumors

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家庭医学館の解説

しんぞうしゅよう【心臓腫瘍 Cardiac Tumors】

[どんな病気か]
 心臓腫瘍は、心臓病全体の0.1%と少なく、腫瘍全体の約80%が良性腫瘍で、悪性腫瘍は20%にすぎないのですが、たとえ良性腫瘍でも生命にかかわることが多い点が問題です。
 良性腫瘍は、心臓そのものから発生したもので(原発性(げんぱつせい)心臓腫瘍)、もっとも多いのは粘液腫(ねんえきしゅ)(30~50%)と横紋筋腫(おうもんきんしゅ)(20%)ですが、そのほかに線維腫(せんいしゅ)、脂肪腫(しぼうしゅ)、血管腫(けっかんしゅ)などがあります。
 悪性腫瘍は、原発(げんぱつ)性のものもありますが、多くは他の部位から転移してくるがんによるものです。
 近年、がんにかかる人の増加や延命率が向上したことにより、転移性心臓腫瘍が以前より増えてきています。
 肺がんからの転移がもっとも多く、ついで胃がん、胆道(たんどう)がん、大腸(だいちょう)がん、腎(じん)がん、膵臓(すいぞう)がんの順になります。
 転移する部位は心膜(しんまく)が多く、リンパ行性(リンパ液の流れにのってきたもの)か、直接組織に入り込むものがほとんどです。
[症状]
 心臓腫瘍の症状は、医師もくびをかしげたくなるようなおかしな症状のことが多く、これがあれば心臓腫瘍とわかるような、特有な症状はみられません。
 心臓腫瘍のなかでもっとも多い粘液腫の場合には、腫瘍が弁膜(べんまく)の間にはさまって血液の流れを止めてしまい、失神(しっしん)(気絶)したり、急死したりすることがあります。失神をてんかん発作(ほっさ)とまちがわれ、どうもおかしいとようすをみているうちに急死し、解剖(かいぼう)して初めて心臓腫瘍とわかったという例もあります。
 また、やわらかい粘液腫の一部がちぎれ、脳まで流れていってつまり、脳梗塞(のうこうそく)の症状をおこすこともあれば、心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)、とくに僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう)によく似た症状が現われることもあります。
 そのほか、粘液腫があると、発熱、関節痛、血沈(けっちん)の亢進(こうしん)などの関節リウマチによく似た症状が現われ、リウマチ性の心筋炎(しんきんえん)とまちがわれることもあります。
 横紋筋腫は、子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)と同じように筋肉(心筋)の中に発生してくる良性腫瘍で、乳幼児に多く、たちの悪い不整脈(ふせいみゃく)をおこしてきたりします。
 しかし、腫瘍があっても目立った症状が現われず、気づかずに一生を過ごすこともあって、必ず重症になるとはかぎりません。
[検査と診断]
 最近では、心臓超音波検査や、胸部CTスキャン、MRIなどの画像診断の発達により、早期の診断ができるようになりました。
[治療]
 良性の心臓腫瘍、とくに粘液腫の場合は、手術で腫瘍を摘出(てきしゅつ)すると劇的に症状が消えます。
 悪性腫瘍の場合は、一般に予後はよくありませんが、一部分のみの腫瘍であれば摘出手術が可能です。それ以外では、放射線療法化学療法を行ないます。ただし、転移性の悪性腫瘍には特別な治療法はありません。もととなる腫瘍の、心臓に転移する前の治療が重要です。

出典|小学館
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