愛川(読み)あいかわ

改訂新版 世界大百科事典 「愛川」の意味・わかりやすい解説

愛川[町] (あいかわ)

神奈川県北部,愛甲郡の町。人口4万2089(2010)。丹沢山地東麓を占め,相模川の支流中津川が貫流する。町名は相模川の古名,鮎河にちなむ。江戸時代後期から養蚕が盛んになり,半原を中心に絹の撚糸(ねんし)業が発達し,八王子青梅など関東山地東麓の絹織物産地に撚糸を出荷していた。最盛期の1935年ころには全国生産高の80%を生産したが,第2次世界大戦後は絹糸から合化繊糸への転換が進み,ミシン糸,女性用下着などの生産が多くなった。66年には,厚木市との境にある中津原の旧飛行場跡地に機械工業を中心とする工業団地が造成された。近年,人口も増加している。中津川上流の中津渓谷は紅葉の美しさで知られていたが,74年着工の宮ヶ瀬ダムの完成により,景観は一変し,観光地化が進んでいる。
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