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所有権留保 しょゆうけんりゅうほ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

所有権留保
しょゆうけんりゅうほ

売買契約で売主が代金完済など一定時期まで売買目的物所有権を留保する旨約すること。たとえば自動車などの割賦販売の場合に多く行われる。代金の支払いを確保するために行われるもので,所有権が留保されている間は,買主は目的物を使用収益することはできても処分することはできない。そして強制執行や破産の際でも所有権を留保している売主は保護される。さらにまた,代金支払いを理由に契約が解除された場合,売主はただちに目的物を回収できる。もっとも,所有権留保は代金債権担保の目的で行われるのであり,この目的と関係がない場面では買主が真の所有者として取扱われることがありうる。すなわち,判例は所有権留保中の自動車による交通事故につき,売主は賠償義務を負わないとしている (最判 1971.1.26.民集 25巻1号 126) 。なお割賦販売法は同法の適用ある商品の割賦販売契約については所有権留保があるものと規定し (7条) ,それらの契約につき種々の規定をおいている。また宅地建物取引業法も宅地建物取引業者がみずからする割賦販売契約による宅地建物分譲での所有権留保について規定を加えている (43条) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

しょゆうけんりゅうほ【所有権留保 Eigentumsvorbehalt[ドイツ]】

AがBに何かある物を売る際に,Bに引き渡された物の所有権が,代金完済までは売主Aに留保されること。民法に直接の規定はないが,代金の支払を確実にさせる一種の担保として特約で行われる。もともと,売った品物の先渡しをし,所有権まで移しても,Bが代金を支払わないときには,Aは,債務名義に基づいてBの財産に対し強制執行をかけることができるし,また,支払を督促したうえで契約を解除して,その物を取り戻せる。しかし,強制執行は手間がかかり,督促つき解除もめんどうである。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

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