文身(読み)ブンシン

精選版 日本国語大辞典 「文身」の意味・読み・例文・類語

ぶん‐しん【文身】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「文」は、模様の意 ) 身体に彫りものをすること。また、その彫りもの。いれずみ
    1. [初出の実例]「赤道線下の熱国、文身(ブンシン)をなす者あり」(出典:和蘭天説(1795))
    2. [その他の文献]〔戦国策‐趙策〕

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百科事典マイペディア 「文身」の意味・わかりやすい解説

文身【ぶんしん】

肌を傷つけ種々の文様を残す習俗。針の先でつけた傷あとに色素をすりこむ刺痕(しこん)文身は入墨(いれずみ)ともいう。肌を傷つけたあとの肉の盛上りで文様を残す瘢痕(はんこん)文身は,アフリカオーストラリアなどで装飾や呪術的意味で肩や眉間(みけん)に施される。
→関連項目身体変工

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世界大百科事典(旧版)内の文身の言及

【入墨∥刺青】より

…皮膚に鋭利な道具で傷をつけ,そこに色料をすり込むかまたは注入することにより文様を浮かび上がらせるもの。文身(ぶんしん),刺青(しせい),黥(げい)などともいわれる。身体装飾のうちの身体彩色の一技法としては,文様がほぼ永久的に維持される点を特徴とする。…

【身体変工】より

…歯に金属などをかぶせたりはめ込んだりする装飾や,日本でも行われていた〈おはぐろ〉なども,広義の意味で歯牙加工の一種と考えられる。(6)文身 瘢痕(はんこん)文身cicatrizationと刺痕文身tattooとに分けられる。前者は皮膚に切込みを入れたり,焼灼(しようしやく)したりして,その傷跡が盛り上がることを利用し文様を浮き上がらせるもの,後者は一般に入墨や刺青と呼ばれるものに相当し,鋭利な道具で皮膚を傷つけ,その部分に色素を注入し定着させ文様を描くものである。…

【瘢痕文身】より

…通例,身体変工の一技法と分類される。身体変工の中で,皮膚に傷をつけ文様を描くものは文身と総称され,文身はさらに傷跡の盛上がりを利用する瘢痕文身と,色料を用いる刺痕(しこん)文身,すなわち入墨に下位区分される。一般に,比較的肌の色の濃い民族は瘢痕文身を,肌の色の薄い民族が刺痕文身を行うとされる。…

※「文身」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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